自治体のDX人材育成の重要性とは?育成するためのノウハウも紹介

自治体のDX人材育成の重要性とは?育成するためのノウハウも紹介

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自治体のDX推進において、DX人材育成の重要性はますます高まっています。デジタル化の波が全国の地方自治体にも押し寄せる中、住民に満足度の高いサービスを提供するには、適切な知識と技術を持った人材が不可欠です。DX人材の育成と活用は、地域社会におけるデジタル変革を加速させる鍵となっています。

そこで本記事では、DX推進の重要性とDX人材育成の具体的な方法について詳しく解説します。

  • なぜ自治体でDX推進が重要なのか
  • 自治体のDX人材育成における課題と解決策
  • DX人材育成のための具体的なノウハウ

本記事を読むことで、自治体におけるDX推進の重要性を理解し、実際にDX人材を育成するための具体的なステップが理解できます。DX推進に取り組む自治体の担当者の方はぜひ参考にしてください。

自治体のDX人材育成の重要性

いま、DX人材育成が自治体で求められる理由は大きく3つあります。

  • 住民へのサービス向上
  • 既存システムの老朽化対応
  • 人手不足への対応

ひとつひとつ解説していきます。

住民へのサービス向上

自治体はデジタル化を推進し、住民サービスの質を高める必要があります。とくに最近の若者世代を筆頭にしたデジタルネイティブな層は、デジタル化されていないサービスに対して不満を持ちやすく、これが自治体への信頼低下につながる可能性があるためです。日本の自治体は現在、人口減少と超高齢化により、納税者人口の減少という財政上の難題に直面しています。このような状況の中で、住民サービスの質を向上させることは、自治体の競争力を高める上で極めて重要です。

サービスのデジタル化を進めることで、オンライン手続きの整備・申請の簡素化など、住民の手続きが迅速化されます。また、情報へのアクセスが容易になり、住民の満足度向上につながります。デジタル化を進めない場合、自治体への信頼低下や、不満を抱いた住民が他自治体へ流出するおそれがあります。結果として、自治体の財政運営にも悪影響を及ぼすでしょう。

住民が自治体を選ぶ時代において、自治体は住民の満足度向上に努めなければなりません

既存システムの老朽化対応

日本のITシステムには老朽化したシステムが多く存在しています。この老朽化したシステムのことを、「レガシーシステム」と呼びます。老朽化したシステムをメンテナンスするスキルを持つ人材は、引退により年々減少しています。そのため、運用を続けるために新しいシステムへの転換が必要です。

人手不足への対応

日本では人口減少の影響で、地方公務員の人手不足が深刻な問題となっています。このような状況の中で、業務を効率的に運営するためには、DXの推進が欠かせません。DXを進めることで、自動化やデジタル化された業務プロセスにより、限られた人員でも業務を効率良く進めることが可能になります。たとえば、申請書類をデジタル化し、住民の手続きをオンラインで行えるようになれば、窓口での作業負担が減少し、少ない職員でも効率的に業務をこなせます。

さらに、デジタル化によってリモートワークの導入が進むことで、職員の多様なライフステージの変化に対応できるようになり、より幅広い人材の確保や、柔軟な労働環境の実現が期待できます。

DXを推進しない場合、業務効率化や柔軟な働き方を実現することが難しくなり、結果として自治体のサービス提供能力に悪影響を及ぼす可能性があります。

自治体のDX人材育成の課題

自治体のDX推進や、DX人材の育成が進まないのには、大きく3つの課題があります。

人材不足

自治体のDX推進における大きな課題は、デジタル人材の不足です。DXを推進するには、デジタル技術に関する専門知識と、リードしていけるプロジェクトマネジメント能力を持つDX人材が不可欠です。

しかし、自治体における業務の大半が、紙ベースのアナログ方式で進行するため、デジタル化の必要が問われることはなく、高度なデジタル技術も必要としない状態でした。

その結果、デジタルスキルを持つ人材の育成や採用が遅れ、デジタル人材が不足し、DXを内部から推進できる人材が確保できなくなっています。

自治体内の理解不足

現状は、DX化に対して自治体の理解と支持が得られていないことが多いです。多くの自治体ではアナログ文化が根強く、DX化の必要性やメリットについて、理解ができていない職員も少なくないためです。現場の職員がDXに対して積極的であっても、自治体のプロジェクトを推進する立場の人間がDXの重要性を理解していなければ、DXに必要な人材や予算の確保、プロジェクトの意思決定はおこなえません。

DX人材を育成する前に、まずはトップ層やDX推進担当者自身がDX化の重要性を理解し、最低限のデジタルリテラシーを身につけていることが必要です。

DX推進の予算不足

自治体におけるDX推進は、予算不足という大きな障壁に直面しています。

DX推進には、新しい技術の導入や人材育成に相応の予算が必要ですが、多くの自治体ではこの予算確保が困難であり、DX推進の障壁となっています。総務省のアンケート調査によると、DX推進の障害として「財源の確保」が最も多くの回答を集めています。また、小規模な自治体では、予算や人材の問題からDXの推進に苦戦していることが明らかになっています。「自治体DX 調査レポート2021」によれば、人口1万人以上の自治体では、30%が何らかのDXに取り組んでいると回答しましたが、人口1万人未満の自治体ではわずか21.3%という結果にとどまりました。

DXを推進するためには、自治体のトップがDXの重要性を理解し、必要な予算の確保に取り組むことが重要です。しかし、実際は予算の制約が大きな障壁となっており、とくに小規模な自治体ではその影響が顕著です。

これらの3つの事情が、自治体DXが進まない主な要因となっています。

自治体のDX人材育成のノウハウ

自治体でのDX化を進めるには、各部門に適したデジタルスキルを持つDX人材の配置と育成が重要です。本章では、自治体におけるDX人材の育成方法を紹介します。

DX人材の育成方針

DX人材を育成していく上では、政府が公開している育成方針を参考にするのがよいでしょう。総務省では、「自治体DX推進手順書」と呼ばれる「自治体が地域住民への貢献を目的としたDX推進を円滑に取り組めるように、具体的な手順や方法を指す手順書」を定期的に改定しています。その中に記載されている「人材育成方針に基づく人材育成手法」では、下記3点の研修を組み合わせて行うことが重要だと記載されています。

  1. 人事運用上の取組
  2. OJT(On the Job Training)
  3. OFF-JT(Off the Job Training)

参照:自治体DX全体手順書 【第2.1版】

人材育成手法においての説明もあるので、参考にしてください。

なお、自治体デジタル・トランスフォーメーション (DX)推進計画 【第2.0版】では、自治体職員との対話や研修、人事交流などを通じて、自治体のデジタル人材育成における機会を提供していく旨が記載されています。

さまざまな支援をおこなっていくため、ぜひチェックしていきましょう。

  1. 総務省及びデジタル庁は連携して、自治体職員との対話や研修、人事交流等を通じて自治体のデジタル人材育成に寄与する。【総務省・デジタル庁】
  2. 職員研修について、総務省において、標準化・共通化や個人情報保護法改正等の最新動向を踏まえつつ、J-LIS等の関係機関と連携しながら、自治体DXに関する研修の充実を図るとともに、研修情報を取りまとめて各自治体に情報提供を行う。【総務省】

DXセミナー研修を実施する

自治体内でDX人材育成を図る場合は、DXセミナー研修が有効です。

若手人材や学習意欲の高い志望者は、比較的吸収も早いため、彼らを中心にDX研修を実施していけば、現場職員が自ら業務システムを構築できるような人材に成長する可能性も十分にあります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供するマナビDX」では、経済産業省の審査基準を満たしたDXに関するレベル別講座を無料で受けられます。基礎的なデジタル知識・スキルを身につけるために活用してみてください。

また、長年紙文化に慣れ親しんできた層や、市長や局長、幹部クラスなどにも、最低限のデジタルリテラシーは必要です。外部講師を招くなどして、幹部クラスや管理職含めた全職へ、DXリテラシー教育をおこないましょう。

DX人材をシェアする

自治体内でDX人材の確保が難しい場合は、外部のデジタル専門人材を活用しましょう。デジタル技術や導入の戦略など、専門知識を持つ人材を短期間で活用でき、DX推進を加速させられます。

また、このような外部人材の活用は、自治体内の人材育成にも良い影響を与え、長期的なDX戦略の構築に寄与します。

自治体DXにはRESERVA

画像引用元:RESERVA公式サイト

自治体がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとっても一元的で使いやすい環境が提供されます。

現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAを推奨します。RESERVAは、26万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。

まとめ

本記事では、自治体のDX推進の重要性とDX人材育成のノウハウについてご紹介しました。高齢化や人口減少を迎える日本において、DX推進は人手不足を補う上で欠かせません。また、各自治体で人口獲得競争の時代、住民サービスの向上をさせることは、競争力を高める上でも重要です。なお、DX推進にあたっては、デジタル人材の不足、DXの重要性への理解不足、そして予算の制約が主な課題となっています。

これらの課題を解決するには、自治体職員全員のデジタルリテラシーの向上が必要であり、そのためには総務省やデジタル庁などの公的機関が提供する支援やDXセミナー、研修プログラムを活用することが効果的です。また、DX推進を短期間で進める場合、外部の専門人材を活用することも自治体のDX推進に大きく貢献します。

本記事の内容をもとに、自身が所属する自治体のDX推進における人材育成を進めていきましょう。

RESERVA.lgでは、今後も自治体DXに関する学び、挑戦を取り上げていきます。

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