自治体改革のモデルケース|BPRとDX推進の成功事例解説

自治体改革のモデルケース|BPRとDX推進の成功事例解説

都道府県や市区町村といった自治体は 、新たな社会のニーズに応えるための革新的なアプローチが求められています。効率性やサービスの品質の向上など、自治体における組織改善や効率化において近年注目されている手段が、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)です。BPRはDX(デジタルトランスフォーメーション)と組み合わせることでより効果的な改革につながるため、BPRとDXの連携をとる自治体が増加しています。本記事では、BPRとDXを組み合わせた取り組みが、自治体改革の成功モデルとしてどのように機能するのか、具体的な事例を通して解説します。

BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)とは

BPRとは、組織のビジネスプロセスを根本的に再設計することで、効率性や効果性を向上させる管理手法です。プロセスの効率化、客満足度の向上 、競争力の強化 、イノベーションの促進に焦点を当てており、BPRの実施には組織全体のコミットメントとリーダーシップが不可欠です。 プロセスにおいて困難な状況に陥ることは多々ありますが、成功すれば効率性の向上や競争力の強化など、組織全体に大きな利益をもたらすことが期待されます。

自治体におけるBPRの必要性

自治体でBPRを実施する必要性は、住民へのサービス品質の向上と、公共サービスの効率化にあります。人口減少や財政難に直面している地方自治体では、限られた資源を最大限に活用し高品質なサービスを提供する方法として、BPRの取り組みが重要視されています。

BPR実施における具体的なステップ

BPRの実施は、主に以下の5つのステップで行われます。

  1. 業務プロセスの特定と評価:顧客や利害関係者からのフィードバックをもとに、 現在の業務プロセスにおける強みや弱み、問題点、改善の余地を特定します。
  2. 目標の設定:顧客満足度の向上やコスト削減、効率性の向上など、具体的な目標を設定します。
  3. 再設計の計画: プロセスのフロー、役割と責任、情報の流れなどを再構築し、新しいプロセスを計画します。
  4. 再設計の実装: 従業員の理解と協力を確保し、設計された新しいプロセスを実際の環境に適用します。
  5. 監視と評価:再設計されたプロセスの進捗状況や達成度を定期的に確認し 、パフォーマンスを評価します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の概要

近年自治体は、住民に提供するサービス品質の向上や業務の効率化を追求しており、それに伴いDX化を推進する自治体は増加傾向にあります。DXとは、デジタル技術を活用して企業や組織のビジネスモデルや業務プロセスなどを変革し、新たな価値を創出しようとする取り組みです。詳しい定義については総務省の公式サイトで解説されています。

自治体におけるDX推進の重要性

自治体においてDXを推進することは、効率的かつ効果的な行政サービスの提供、市民とのコミュニケーション強化、地域課題の解決に不可欠です。デジタル技術を用いることで、住民からの要望に迅速に対応し、より良い住環境を提供することが可能になります。

DX導入に伴う課題とその解決策

自治体でのDX導入は、よりよい行政サービスの提供や地域課題の解決につながりますが、それに伴い課題も発生します。DX導入において発生すると考えられる課題とその解決策は以下のとおりです。

デジタル格差
解決策:情報アクセスのためのインフラ整備と教育プログラムの提供

システムのセキュリティ確保
解決策:定期的なセキュリティ研修の実施と最先端技術の導入

人材育成と組織文化の変革
解決策:デジタルスキル向上のための研修プログラムと組織横断的なプロジェクトチームの設置

自治体におけるBPRとDXの連携

従来の業務プロセスを根本的に見直し改善するBPRと、デジタルテクノロジーを活用して業務の効率化が可能なDXを組み合わせることで、より効率的でスムーズな業務フローの実現が可能です。そのため、DX化の推進にあたりBPRとDXの連携をとる自治体は多くあります。

成功に向けた戦略立案

自治体のBPRとDXを効果的に連携させるための戦略立案には、現状分析から始まり目標設定、実施計画まで、詳細なステップが必要です。特に、目標の明確化と具体的な計画の策定が、成功の鍵となっています。

  1. 現状分析:自治体の業務プロセスを徹底的に分析し、デジタル化の余地があるプロセスや非効率な部分を明確にします。この分析では、現状の業務プロセスの弱みを理解し、改善可能な点を見つけることが目的です。
  2. 目標設定:具体的かつ測定・達成が可能な目標を設定します。長期的および短期的な視点を持ち、両者の視点から具体的な達成指標を定めます。
  3. 実施計画:目標を達成するための戦略として、実際に必要な資源の特定や期限の設定、実施ステップの明確化などの具体的なアクションプランを決定します。

抑えるべきポイント

上記のステップを踏まえつつ、自治体でのBPRとDXの連携をより効果的に行うためには、以下の3つのポイントを抑える必要があります。

  • 利害関係者の関与:プロジェクトの成功には利害関係者の積極的な関与が欠かせません。そのためには、利害関係者への目標の共有、意思疎通、そして利害関係者を巻き込んだ意思決定プロセスが重要です。
  • データの統合と利活用:BPRとDXでは、データの統合と利活用が中心的な役割を果たします。自治体が保持する膨大なデータを統合し、分析、可視化することで、より適切な政策やサービス提供が可能になります。
  • 継続的な評価と改善:プロジェクトの成功のためには、定期的な評価をもとに、継続的にプロセスの調整、改善を行うことが必要です。

各自治体におけるBPRの具体的な成功事例

福井県|AI問診システム導入による効率改善

福井県立病院では、 AI問診システムを活用した患者サービスの向上と医師のカルテ入力の効率化を実現しています。AI技術を活用した患者への事前問診は、詳細な事前問診による患者の満足度向上と同時に、口頭や紙での問診と比べ、事前問診時間の短縮にもつながりました。また、AI問診からのコピーペーストによる医師の電子カルテへの入力作業の効率化や、時間外の外来受診で専門医が不在の場合でもAI問診による高い水準を保った問診が可能になるなど、業務プロセス全体の効率化が実現しました。

参考ページ:福井県公式ホームページ

石川県羽咋市|スマートシティ構想に基づくデータ活用

石川県羽咋市では、スマートシティ構想を推進し、 河川監視カメラや観光用ライブカメラなどのリアルタイム映像や、センシング情報など、市内のさまざまなデータを活用しています。公共施設や避難所一覧、道路情報を集積・分析し、可視化することで、災害時など非常事態での職員による早急な状況把握が可能です。

また、積雪の情報も活用しており、市内に設置されている積雪深センサから積雪情報を把握することで、積雪が多い地域から順番に的確な除雪車の配置が可能になりました。このような情報技術と市の協力による取り組みは、市民の安心安全な生活の確保につながっています。

参考ページ: 羽咋市公式ホームページ株式会社インテック公式ホームページ

神奈川県鎌倉市|住民参加型プラットフォームの構築

神奈川県鎌倉市では、DXを活用して市政への住民参加を促進するプラットフォームを開発しました。これまでの対面での市民対話やワークショップに、新たなオンラインプラットフォーム「Liqlid(リクリッド)」を組み合わせた、市民参加型共創プラットフォームです。 Liqlidは「じっくり話して、しっかり決める」をコンセプトにしており、ダウンロードやインストールが不要な点や、自由なアイディアを投稿できる点などが魅力です。市民からの意見や提案を市政に反映させる直接的な媒体として機能し、政策決定プロセスの透明性を高めています。また、住民間の情報共有を促進することで、地域コミュニティの活性化にもつながります。鎌倉市は、この取り組みを通して、住民と行政が一体となった自治体運営の新しい姿を示しています。

参考ページ:鎌倉市公式ホームページ

自治体DXにおすすめな予約システムRESERVA

画像引用元:RESERVA公式サイト

自治体のDX推進にあたりおすすめなのが、予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとっても一元的で使いやすい環境が提供されます。

現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAを推奨します。RESERVAは、26万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。

まとめ

本記事では、自治体におけるBPRおよびDX推進の成功事例を通して、BPRとDXの連携の具体的な進め方とその効果を明らかにしました。事例からわかるとおり、プロジェクトの成功には戦略的な計画と継続的な改善が必要です。また、住民の協力を得ることで、より効率的かつ効果的なサービスの提供が可能になります。これらの成功事例を参考にしながら、自治体の特性に合わせた適応策を練ることが重要となります。

RESERVA.lgでは、今後も自治体DXに関する学び、挑戦を取り上げていきます。

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