自治体は、今日トランスフォーメーション(以下、DXとする)の推進が急務です。その際には、多岐にわたるデジタル人材がその力を発揮します。特に外部からのDX人材は、新鮮な視点で革新をもたらし、自治体のデジタル化を加速させる重要な鍵となります。
本記事では、総務省が発表した「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」というガイドラインに沿って、DXを推進する上で中心となる「エンジニア」の役割と、その際に求められるスキルセットについて掘り下げていきます。
総務省「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」の策定
現在、自治体の多くはDX推進に向けての取り組みを進めていますが、外部デジタル人材の活用に関してはさまざまな課題が存在しています。総務省が2021年に行った調査によると、外部デジタル人材を「活用する方向で検討中」または「未定」と回答した1,150団体において、約70%にあたる801団体が「外部デジタル人材に求める役割やスキルを整理・明確にすることができない」という課題を抱いており、外部人材の有効活用に向けた具体的な計画や戦略をまだ策定していない状況にあります。
このような状況を踏まえ、総務省は2022年に「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」を策定しました。これは、自治体が外部デジタル人材の採用にあたり、具体的な基準と方向性を持って対応することができるよう設計された資料です。
このスキル標準では、自治体DXの推進に必要とされる人材像が4つのカテゴリーに分類され、それぞれに必要なスキル、資格、経験が詳細に解説されています。これにより、各自治体は自身のニーズに応じて、必要な人材像を選択し、適切な外部人材を確保することが容易になりました。
「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」について詳しく解説した記事は、以下から確認できます。
→DX推進に必要な外部人材の活用にあたって|「外部人材スキル標準」の紹介
本記事では4つの人材像のなかの、エンジニアについて紹介します。
エンジニア
エンジニアの役割
エンジニアは、RPA・ノーコードツールなどのデジタルツールを実装することで、自治体の業務効率化や住民の利便性向上を実現する役割を担っています。
望まれる能力
テクニカルスキル
エンジニアには、要求分析やデジタルツールの実装などデジタルスキルが不可欠です。要求分析においては、サービス利用者のニーズを的確に捉え、それらを実現可能な要件に変換する能力が求められます。
デジタルツールの実装においては、具体化した要件を実現するために適切なツールを導入し、自治体の特定の業務やプロセスに適合させる技術が必要です。
ヒューマンスキル
リーダーシップとコミュニケーション能力がエンジニアには重要です。リーダーシップは、デジタルツールの実装に向け、職員やプロジェクト関係者に働きかける力と言い換えられ、 コミュニケーション能力は、プロジェクト関係者やサービス利用者との間で密接な意思疎通を行う力と定義できます。 これらのスキルを持つエンジニアがいることで、DXプロジェクトが円滑に進行します。
経験
民間企業でデジタルツールを実装した経験や、自治体での勤務経験、または自治体からの受託業務に従事した経験を持っていることが望ましいです。
スキルレベル・資格
エンジニアとしての役割を果たすには、特定のスキルレベルに達していることが望まれます。これには、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が定めたITスキル標準における、ITスペシャリスト、アプリケーションスペシャリスト、ITサービスマネジメント、カスタマーサービスの各分野でレベル3以上の実務能力を有する水準と言い換えられます。さらに、情報システムユーザースキル標準におけるアプリケーションデザイナーやシステムデザイナーの領域でも、同じくレベル3以上の能力が求められます。
さらに、これらのスキルレベルを証明するものとして、IPAが認定するITサービスマネージャーの資格の保有が、外部人材として好ましい条件です。この資格を持つ人材は、デジタルサービスの設計と実装において、技術的かつ戦略的な視点からの貢献が期待されます。
自治体での事例
多くの自治体は外部人材をエンジニアに任命し、DXを推進しています。ここでは、一部の事例を紹介します。
・品川区、DXやシステム標準化を担うデジタル人材2名を採用! – 入庁者|システム標準化担当
参考:ソーシャルインパクト採用プロジェクト by エン・ジャパン
・生駒市がDX関連職種を含む5職種19名を採用! – DX関連職種(システムアーキテクト)
参考:ソーシャルインパクト採用プロジェクト by エン・ジャパン
・新たに2名のCIO補佐官を任命しました – サービスデザイナー/エンジニア
参考:福島県南相馬市公式ホームページ
自治体DXにはRESERVA
自治体がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとっても一元的で使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAを推奨します。RESERVAは、26万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。
まとめ
外部DX人材は、自治体がDXを推進するにあたって不可欠な存在です。この記事では、「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」において記述された「エンジニア」について解説しました。外部人材の活用にあたって悩みを抱えている自治体の職員は、ぜひ本記事を参考にしてください。
RESERVA.lgでは、今後も自治体DXに関する学び、挑戦を取り上げていきます。