市民センターは地域活動の拠点として、さまざまなコミュニティの地域活性化を推進してきました。しかし、近年の市民センターは、職員の不足や予算不足、地域コミュニティの希薄化など、解決すべき課題を多く抱えています。市民センターは現在、時代の変化や市民ニーズの多様化に対応するために、自治体DXでの変革が求められています。そんな中、自治体DXの手段のひとつとして特に注目されているのが、予約システムの導入です。
本記事では、自治体DXの中でも予約サイトの導入に焦点を当て、現代の市民センターの在り方から予約システムの導入メリット、導入事例について解説します。
地域に求められる市民センターの在り方
地域に求められる市民センターの在り方は時代とともに変化しています。
市民センターの役割
市民センターの役割は、地域活動の拠点施設として機能することで地域の連携を深め、市民の自主的なまちづくり活動を推進することです。その役割を果たすために、市民センターは地域活動の支援機能だけでなく、行政窓口としての機能も備えています。また、近年では、市民ニーズの多様化を背景に地域課題の累積が深刻です。その例として、デジタル化への遅れや多文化共生への対応不足などが挙げられます。そうした地域の社会的課題に対応するために、現代における市民センターは、時代の変化に適応した活動支援が求められています。
市民センターの取り組み
市民センターの取り組みは、地域コミュニティのニーズに応じたものであり、それぞれの地域によって異なります。地域会議や市民センターまつりなどのイベントの開催、子育てサークルやクラブ活動の実施、会議室や機材の貸し出しなど、市民センターの取り組みは多種多様です。
また、高齢者向けのスマートフォン講座や男性向けの料理教室など、時代の変化に対応した取り組みも増えてきています。
市民センターの課題
市民センターにおける課題は深刻化しており、早急な解決が必要です。
地域コミュニティの希薄化
市民センターの課題のひとつに、地域コミュニティの希薄化が挙げられます。ソーシャルメディアの台頭により、人々が対面でのコミュニティ参加よりもデジタル上での交流を選ぶ傾向が強くなりました。また、核家族化や少子高齢化などといった多くの要因も、地域コミュニティの希薄化を進めています。そういった傾向への対抗策として、市民センターは地域活動に参加しやすい環境づくりに取り組むことが求められます。
職員の不足
職員が不足していることも市民センターが解決すべき大きな課題です。総務省が2022年に発表した『地方公共団体定員管理調査結果』によると、1994年以降、自治体職員の数は減少傾向にあります。2022年時点で、職員数はピーク時から約15％も低減しており、人手不足が深刻です。こうした人材の不足により、職員1人あたりの業務負担は増加しており、市民センターを含めた自治体のサービス提供能力に多大な影響を及ぼしています。
予算不足
市民センターの資金源である地方財政は、現在厳しい状況に陥っています。総務省の「地方財政制度」によると、地方の財源不足は、税収の落ち込みや減税などにより、1994年以降急激に拡大しました。2010年度には、景気後退の影響で過去最大の18.2兆円に達し、2023年度においても、社会保障関係費の増大などにより、2.0兆円の財源不足が生じています。そのため、市民センターが充実した行政サービスを提供するためには、施設機能や運営方法などを見直し、効率的な資金繰りを行うことが不可欠です。
予約システムの導入による自治体DX
市民センターの課題解決には自治体DXが不可欠であり、特に予約システムの導入が効果的です。
自治体DXとは
自治体DXは、デジタル技術を駆使して行政サービスの質を高め、効率化を図る取り組みです。総務省は自治体DXの目標を、「自らが担う行政サービスについて、デジタル技術やデータを活用して、住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスの更なる向上に繋げていく」と定めています。
現代の市民センターにおいて、自治体DXで業務効率化を図り、限られたリソースを適切に活用することは、地域経済の発展のために極めて重要です。
予約システムの導入
自治体DXにおいて特に効果的な取り組みが、予約システムの導入です。市民センターの運営における予約システムの導入は、住民の利便性向上や効率的なサービス提供、さらにはサービス品質の向上にも寄与します。予約システムを導入するメリットは以下の通りです。
業務効率化：予約システムは予約受付や利用者情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要がありません。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な市民センターの運営が実現します。
費用削減：予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や参加者の情報はデータ化されるため、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。
利用者の利便性向上：予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、利用者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、地域活動に参加しやすい環境づくりに貢献します。
マーケティングの強化：予約管理システムを通じて集められる利用者のデータを分析し、ターゲット市場の動向や地域住民の需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。
市民センターの予約システム導入事例
ここでは、市民センターにおける実際の予約システムの導入事例を紹介します。
神奈川県｜都筑区民活動センター
参考：横浜市 公式サイト
使用されている予約サイト：https://reserva.be/tzkatsudo
都筑区民活動センターは、市民活動に関する情報の収集や提供、相談、活動場所の提供など、市民活動を支援する事業を行っている都筑区の施設です。建物内には、登録している団体の備品を保管してくれるグループボックスもあり、区民センターを利用する団体に大いに役立っています。また、相談員が交代で勤務しているため、地域活動に参加してみたい人や、すでにグループ活動をしている人は、気軽に相談することができます。
利用者は、予約サイト上で、ミーティングブースや印刷機、オンライン相談などから希望のメニューを選べます。また、選択するとそれぞれの予約可能な日時を一目で確認でき、簡単に予約可能日を把握することが可能です。
千葉県｜とみさと市民活動サポートセンター
参考：富里市 公式サイト
使用されている予約サイト：https://reserva.be/tomisapo
とみさと市民活動サポートセンターは、富里市のまちづくりに関わるすべての市民や市民活動団体が利用できる施設です 。キッズコーナーも併設している交流スペースや資料作成が行える作業ルーム、団体の会報やチラシ、リーフレットなどを配布する情報コーナーなどが存在します。
予約サイトは、実際に借りられる活動ブースの写真を見ることができ、机や椅子などの備品の数や定員も記載されています。
愛知県｜一宮市市民活動支援センター
使用されている予約サイト：https://reserva.be/room138cc
一宮市市民活動支援センターは、2004年から運営が開始された施設です。一宮市からの委託を受け、特定非営利活動法人 志民連いちのみやが運営しています。センターは現在に至るまで、まちづくり活動を推進してボランティア団体やNPOなどが行う市民活動をサポートしてきました。また、オンライン画像デザインツールでのチラシの作成教室や、デジタルスキル習得講座など、近年のDX化に対応した取り組みも積極的に行っています。
市民センターの予約はRESERVA
現在多数の予約システムがありますが、自治体市民センターが効率的に自治体DXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAを推奨します。RESERVAは、26万社と500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1の予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、市民センターの業務プロセスがより効率的に進められます。また、予約サイト上では、市民センターについての説明や営業時間、問合わせ番号や所在地などの基本情報を記載出来ます。その上、お知らせを載せることで随時最新情報を地域住民に伝えられるため、ホームページの代わりとして使うことも可能です。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる市民センターにもおすすめです。
まとめ
今回は、市民センターの課題解決に欠かせない自治体DXの中から、特に効果的な予約システムの導入について解説しました。市民センターに予約システムを導入することで、業務効率化や費用削減、利用者の利便性向上やマーケティングの強化が期待できます。また、国内No.1の予約システムであるRESERVAは、100種類という機能の豊富さにも関わらず初期費用が0円なため、予約システムに慣れている市民センターから不慣れな市民センターまでオススメです。市民センターの課題に悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考にしてください。 RESERVA.lgでは、今後も自治体のDX化に関する国内事例を取り上げていきます。