近年、地域経済の活性化や観光誘致、そして住民同士の交流促進を目指すイベントとして自治体マルシェが注目されています。自治体マルシェは、農家や生産者が集う一般的なマルシェとは異なり、自治体や商工会など公的機関が協力・主導するため、地元の魅力を全面にアピールできます。しかし、自治体マルシェの開催には、企画の立ち上げから会場手配、出店者募集、集客、会場の設営など、準備すべきことが多く、ポイントを押さえた運営が求められます。
そこで本記事では、自治体マルシェの概要や開催手順、成功させるためのポイントをわかりやすく解説するとともに、出店受付を自動化する予約システムの活用法について詳しくご紹介します。
自治体マルシェとは

自治体マルシェとは、その名のとおり「自治体が主導または協力して開催するマルシェイベント」のことを指します。一般的なマルシェは農家や生産者が集まり、新鮮な野菜や果物、加工食品、工芸品などを直接販売するマーケットとして知られています。一方で、自治体マルシェの場合は、地域の特色や魅力を活かしながら、地域住民同士や観光客との交流の場として機能する点が特徴です。近年、自治体マルシェは、単なる販売イベントにとどまらず、地域の観光誘致や地場産業の活性化を目的としたプロモーションの一環としても大きく注目されています。
自治体マルシェを開催する手順
手順①.企画書の作成
最初に、自治体マルシェの全体像を明確にするために企画書を作成します。
企画書には、イベントの名称や目的、開催日時、想定参加者数、会場候補、必要予算などをまとめます。自治体マルシェの場合、上司や部署内、あるいは上層部への立案が必要になることが多いため、根拠となるデータや費用対効果の見込みなども記載すると承認が得やすくなります。また、地元の特産品や観光資源、出店者のターゲット、協力者のリストなどをまとめておくと、後の会場探しや出店者募集でスムーズに進められます。
手順②.会場の手配
企画書が完成したら、会場選定を行います。
屋外の場合、公園や広場、商店街の空きスペースなどが一般的ですが、雨天時の対策や電源確保、出店ブースの配置などを考慮しなければなりません。また、室内会場にこだわらず、屋根付きの広場や体育館併設スペースなどをうまく活用することで、天候リスクを抑えつつイベントを実施することも可能です。自治体マルシェの場合は公共施設を利用しやすいメリットがありますが、その分申請書類が増えることも多いので注意が必要です。
会場を選ぶ際には集客力とアクセスのよさが大きなカギとなります。駅前広場や主要道路沿いの空き地など、人の流れが多い場所を選ぶことで、通行人の飛び入り参加も期待でき、自然な集客効果が狙えます。一方で、あえて公共交通機関から少し離れた地域で開催することで、周辺に存在する観光スポットのアピールにもつなげられます。開催会場を選ぶ際には、どのような意図で会場を選ぶかを明確にすることが大切です。
手順③.出店者の募集
会場を選定したら、出店希望者を募集します。自治体の公式サイトや広報誌、SNSなどを通じて告知すると同時に、商工会や地元の農家、事業者とのネットワークを活用します。募集要項には、出店料や販売可能な商品ジャンルやブースのサイズ、電源使用の可否など、必要な情報をわかりやすくまとめます。特に「出店枠がいつまでに埋まるのか」「応募が多すぎる場合はどうするのか」といったルールを明確にしておくことで、応募者からの問い合わせが減り、スムーズに事務手続きが進みます。また、近年はオンラインで出店申込を完結させるケースが増えています。Googleフォームや専用の予約システムなどを活用することで、紙の申込書をやり取りする手間が省け、集計や管理も容易になります。

手順④.集客
集客は自治体マルシェの成功に深く関わる取り組みです。
自治体マルシェの集客方法として、チラシのポスティングや自治体の広報誌への掲載、地元商店街へのポスター掲示など従来のアナログな方法も効果的ですが、SNSやイベント告知サイトの活用も見逃せません。FacebookやInstagram、X(旧Twitter)で開催情報をシェアすることにより、若年層や遠方からの集客が期待できます。加えて、飲食店オーナーや人気ブロガーなど地域のインフルエンサーに声をかけることで、より広範囲に告知が拡散される可能性が高まります。
手順⑤.会場の設営
イベント当日の数日前から、ブースレイアウトやステージ、テーブルや椅子の配置などを決め、設営計画を立てます。出店者が多い場合は、通路の幅や導線をしっかり確保し、来場者が快適に移動できるよう工夫が重要です。歩行者の安全確保や緊急時の避難ルート、消火設備の配置なども自治体主催のイベントでは特に重要であるため、消防署などの関連機関との連絡も綿密に行う必要があります。
もし、調理をともなう出店がある場合は、ガスコンロや火器の使用ルールを厳守するように指導や監視を徹底することが重要です。また、衛生面や安全面の基準を守りながら、当日の混乱を防ぐために、出店ブース同士の間隔や電源ケーブルの配線ルートなども明確にしておくと安心です。
手順⑥.イベントの開催
会場の設営が完成すると、ついに自治体マルシェの開催です。当日は受付や案内係、警備スタッフなどの役割を事前に割り振っておき、始動時にはトラブル対応窓口も設けておきます。大きなマルシェでは、出店者や来場者から多くの問い合わせが寄せられるため、スタッフ間で情報を共有する体制が不可欠です。
また、音響設備やステージの運営は、専門業者に依頼するか、公民館などにある機材を活用するなど、規模と予算に合わせた調整が求められます。開催後は必ずアンケートを行い、出店者や来場者の感想や要望を集めることで、次回開催の質をさらに高めていくことができます。
自治体マルシェを成功させるポイント

予約体制の整備
自治体マルシェに参加したい出店者が多い場合、受付業務が煩雑になりがちです。問い合わせのメールや電話が多数寄せられ、その都度手書きやエクセルで対応しているとミスが発生しやすくなります。また出店者の都合でキャンセルや変更が出ると、ブースの割り振りやスケジュールを組み直さなければならず、担当者が混乱する事態になりかねません。そこで、出店希望の受付段階からオンライン予約システムを導入し、応募・審査・決定までを一元管理することで、連絡の行き違いや重複申込といったトラブルを回避しやすくなります。
定期的な情報発信
自治体マルシェの集客を成功させるためには、定期的な情報発信が欠かせません。
SNSやWebサイトを活用する場合、開催日が近づくにつれて最新情報を小出しにして、期待感を高めていく手法が効果的です。たとえば、「参加出店者の紹介」や「マルシェ会場で味わえる限定グルメ」、「出店者同士のコラボ企画」など、魅力的なコンテンツを少しずつ公開することで、多くの参加者の興味を引き付けられます。
公式アカウントを作成し、チームで運用すれば、負担を分散しつつ活発な情報発信が可能になります。どのSNSを使うか悩む場合は、写真が主体であるInstagramやFacebookが、わかりやすくおすすめです。投稿頻度やタイミングを工夫することで、来場者の熱量を徐々に高められます。
事前決済の導入
マルシェ当日は、出店ブースで個別に会計が行われることが一般的です。しかし混雑する時間帯になると、長蛇の列ができて購入意欲が下がってしまったり、現金の用意が足りなくなるトラブルが生じたりする場合があります。こうした問題を軽減するには、事前決済システムの導入やキャッシュレス決済の受付が有効です。
近年では、QRコード決済や電子マネーを導入する店舗も増えていますが、自治体マルシェ全体として統一した形で導入すると、来場者にわかりやすい案内を行えます。また、特定の商品や体験型コンテンツは事前予約・オンライン決済を取り入れておけば、当日の受付・会計がスムーズになり、混雑を回避できます。
自治体マルシェの出店受付を自動化する予約システム「RESERVA」

自治体マルシェの出店受付の自動化にあたっては、実際に自治体への導入事例のあるRESERVA(レゼルバ)を推奨します。RESERVAは全国30万社という導入数を誇る、国内シェア率No.1の予約システムです。政府機関・自治体では500以上のプロジェクトで活用されており、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があります。
RESERVAは予約をはじめとして、決済から顧客管理、さらには集客までを自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要であることから、システムを初めて導入する方におすすめです。これによって、運営者の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、出店者にとっても一元的で使いやすい環境が提供されます。
またRESERVAは、自治体マルシェの運営に役立つ機能を数多く搭載しています。
予約時アンケート機能
RESERVAの予約時アンケート機能を活用することで、予約受付と同時に必要な情報を獲得できます。たとえば、「出店ジャンル」「販売予定商品」「電源の使用有無」「想定売上規模」などをアンケート項目として設定することで、担当者は当日のブース割りや備品調達を効率的に計画できます。さらに、アンケート内容は編集・追加が容易なので、直前で新たな確認事項が出た場合でも迅速に反映が可能です。出店者は予約手続きを進める流れの中で回答するため、回答率が高まりやすいという利点もあります。
予約時アンケート機能についてはこちら:予約時アンケート設定で業務効率化を実現!【RESERVA機能紹介】
予約リマインドメール機能
マルシェ当日や直前になると、出店者に対してリマインド連絡を行う必要がありますが、手動での一斉連絡は非常に煩雑です。RESERVAには、予約した出店者に対して自動的にリマインドメールを送信する機能が備わっており、開催日を忘れていたり、日程を勘違いしていたりする出店者を減らす効果が期待できます。また、リマインドメールにはブース配置図のURLや持ち物リストなどを盛り込むことができるため、当日の準備不足を未然に防ぎやすくなります。
担当者側としても、参加予定者の確保や直前キャンセルの軽減につながり、運営トラブルの回避に寄与します。結果として、出店者にも運営者にも負担をかけないスムーズなイベント開催を実現できます。
予約リマインドメール機能についてはこちら:予約リマインドメール機能で無断キャンセルを防止【RESERVA機能紹介】
顧客データCSV出力機能
自治体マルシェの出店申し込みを運営するうえで、後日分析や報告書の作成に役立つのがデータのエクスポート機能です。RESERVAでは、予約情報や申込者の情報をCSVファイルなどに一括出力できるため、担当者は集計作業をスムーズに行えます。エクスポートしたデータは他のシステムと連携したり、エクセルで加工したりできるため、職員間の情報共有も円滑になります。
顧客データCSV出力機能についてはこちら:顧客情報をCSVファイルで出力【RESERVA機能紹介】
まとめ
自治体マルシェは、地域経済の活性化や観光誘致、住民同士の交流促進など、多岐にわたるメリットをもたらすイベントです。一方で、企画の立ち上げから会場の確保、出店者や参加者への対応など、運営には多くのステップと調整が必要となります。そこで活用したいのが、オンライン予約システムをはじめとするデジタルツールです。RESERVAを導入すれば、予約受付から出店者管理を一元管理でき、担当者の負担を軽減するとともに、出店者にとっても利用しやすい環境を整えられます。
自治体マルシェの運営でお悩みの人は、ぜひ本記事を参考にしてください。