スマート公民館とは?予約システム導入で変化する新しい地域交流のかたち

スマート公民館とは?予約システム導入で変化する新しい地域交流のかたち

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公民館は、地域交流の場としてアナログ的文化を支えてきました。しかし現代社会において、公民館が持続的に価値を提供するには、高齢者だけでなく多くの年齢層に対して、学びや交流の場となるような施設に変革する必要があります。これには、デジタル化への取り組みが避けられず、プログラムやイベントに関してもより快適に多くの人が利用できる仕組みを構成する必要があります。

デジタルシステムを有効的に導入し、地域活性化を目指す公民館をスマート公民館と言い、現在いくつかの地域でスマート公民館を目指した活動が行われています。

本記事では、スマート公民館のメリットや、目指す上でカギとなる予約システム、そして実際に実証実験を行っている公民館について解説していきます。

公民館の現状と課題

予約手続きに時間がかかる

公民館の利用は、大半が予約制であり、実際に訪れての予約や電話での予約といった手間のかかる行程がある場合が多く見受けられます。特に平日の仕事をしている時間帯などに予約ができない利用者にとっては大きな負担になります。

キャンセルや変更に関する手続きもスムーズでないことが多く、キャンセルされた情報がほかの利用者に伝わらないため、有効的な施設利用ができない場合が生じます。

ほかにも利用できる設備、制限されている行為、使用料、禁止事項など、必要な情報が十分に提供されていない場合には利用者とスタッフのトラブルにもなりかねません。

利用者の高齢化

現在の日本全体で高齢化が背景にある中で、これが公民館の利用者層にも反映されています。特に若い世代が都市部への流出を続ける地域では、公民館の活動参加者が自然と高齢者中心になるケースも少なくありません。

さらに公民館の利用機会減少や若年層の認知不足も影響し、公民館が高齢者を中心に利用する施設というイメージがついている可能性があります。本来、多くの世代が利用できるように創られた施設も、一部の偏った世代の利用が続くと、本来あるべき役割を果たしにくくなることがあります。

高齢者が交流できる場として公民館が機能していることや、公民館のサービスや活動が高齢者向けに進められることは非常に良いことです。しかし、中高年や若者がより利用しやすくなる、新しい内容や形式のプログラムを充実させることも、公民館の活性化には必要です。

予算と人員

多くの自治体において、財政的な制約の中で公民館の運営予算を確保しなければいけません。そのため、新規プログラムの導入や施設改修に費用を捻出することも困難となる場合があります。

さらに、施設のバリアフリー化や高齢者に優しい設備投資が求められる一方で、そのための予算やリソースの確保が課題となっている地域も少なくありません。

また、予算不足に加え、人員の不足も重大な課題です。多岐に渡るイベントやプログラムの運営にはスタッフの負担が大きく、施設管理や専門的な職員の配置なども難しい状況であることが見受けられます。

スマート公民館のメリット

スマート公民館は、身近な公民館を地域の幅広い世代の人々が集う憩いの場として、利便性をさらに向上させるためにデジタル技術を活用し、効率的で快適に利用できるようにした施設です。 公民館がより多くの世代に、より快適に利用されるために、デジタルシステムやサービスを導入することで発生するメリットを紹介します。

予約システムによる時間短縮

スマート公民館の推進には、予約システムの導入が不可欠です。予約システムは、手続きの効率化を図ることができます。従来の予約手続きは、紙の申込書を記入して提出する必要がありましたが、オンライン予約では、いつでもどこでもかんたんに予約手続きが完了します。これにより、利用者は予約に要する時間を大幅に短縮することができます。例えば、忙しいという理由から、若い世代の利用者が、公民館に直接訪問して予約ができなくても、昼休みや通勤時間などのわずかな空き時間に予約をすることが可能です。

また、オンライン上の手続きであれば、予約の確認や変更、キャンセルも容易に行えるため、利用者は柔軟に予約内容を調整できます。これにより、公民館利用における時間管理の負担を軽減し、生活の充実度を高めることができます。

利用者数の増加・年齢層の増大

スマート公民館の推進は、利用者数の増加にも対応することができます。

予約システムを導入すれば、公民館の利用者数が増加しても手続きの負担が大きく変化しないため、従来より効率的に利用者数を増加させることができます。また、予約システムの改善により、同時に複数の予約が可能になったため、より多くの利用者が公民館を利用することができます。

従来の公民館は高齢者の交流の場というイメージが定着しがちでしたが、利用予約が容易になれば若い世代の利用が増加し、より広い年齢層が公民館に訪れることになるため、地域交流の幅も大きくなります。

スマート公民館は地域の交流拠点として重要な役割を果たし、デジタルシステムによってさらに多くの人々が利用する機会が生まれるでしょう。

運営負担の軽減

公民館の運営は、地域の住民ボランティアや限られたスタッフによって支えられているのが実情です。従来のスタッフが担う業務は、幅広く新しいプログラムの導入にまで手が回らないこともあります。

デジタルシステムの導入によって、予約業務や受付業務自体がほぼ無人で行える上に、管理も紙面よりセキュリティが高いため、公民館の運営負担は大きく軽減されます。また、利用状況のデータやアンケートフォームなどから利用者の意見や改善案を募り、より良い公民館運営が可能になります。

公民館での実証実験・導入事例

公民館に予約システムを導入し、スマート公民館の運営を成功させている事例を紹介します。

栃木県那須塩原市 西那須野公民館

参考:スマート公民館事業(西那須野公民館)

公民館予約に使われている便利な予約ページ:https://reserva.be/nishinasuno

那須塩原市にある西那須野公民館では、予約システムとスマートロックの導入実証実験を行い、公民館の利便性向上のためのデジタル化を推進しています。システムの設計などにも時間をかけ、より良い地域づくりのために尽力しました。

実施結果として、利用者にとって電話連絡や来館せずに予約ができ、会議室などの空き状況が可視化されたことで、公民館がより使いやすいものになった、という結論が出ました。実際にこれまで公民館を利用していなかった年齢層の住民に対して、広く開かれた施設になったことで今後はより一層活用されることが考えられています。

現在も多くの住民が予約システムやスマートロックを利用しており、より強固な地域づくりに期待されます。

広島県福山市 交流館

画像引用元:福山市公式サイト

福山市では、デジタル技術活用により、利用者の負担軽減と利便性向上を図るため、貸室の申請をオンライン化する施設予約システムと、物理的な鍵を用いず暗証番号を入力して開錠するスマートロックを導入しました。導入された交流館は、東交流館、伊勢丘交流館、加茂交流館、今津交流館、水呑交流館の5つで、市全体で安全で快適な施設による地域づくりが行われています。

貸室の空き状況が自宅にいながら確認できるため、施設予約に不要な手間が省ける上に、スマートロックの導入で毎回鍵を取りにいく必要がありません。

福山市は、積極的にデジタル化に取り組んでおり、予約システムやスマートロック以外にも、市民が快適に過ごせるサービスの導入を進んで行っています。

広島県尾道市 向島公民館

画像引用元:尾道市公式サイト

尾道市では、人口減少や少子高齢化に伴う公共施設の需要変化を加味して、新たなサービスに対応するため、公共施設のスマート化に取り組んでいます。 2023年2月9日から2023年3月6日の約1カ月間、貸会議室の利用をオンライン予約で行い、アンケートを実施しました。

結果として使いやすい、便利である、といった趣旨の意見が多く寄せられたことで、尾道市は、デジタルに不慣れな高齢者に対しても導入できるよう取り組み、地域社会の活性化に努めていくそうです。

公民館予約にはRESERVA

画像引用元:RESERVA公式サイト

公民館をスマート化する第一歩として、効果的なのが予約システムの導入です。予約システムが浸透することで利用者数の増加だけでなく、若者や中高年が利用しやすくなることによる年齢層の増大や、どこからでも予約できる利便性による利用回数の増加も見込めます。高齢者にも利用しやすい予約システムを導入すれば、難しい操作で利用を避けられることもなく、スタッフの負担も大きく軽減されます。

多数の予約システムのなかで、公民館の予約に最適な予約システムとしてRESERVAが注目を集めています。RESERVAは業界最大級の利用社数を誇る、予約機能をはじめ、顧客管理、決済機能まで自動化する機能が備わっています。操作性がシンプルでわかりやすいため、どの世代でもスムーズに利用することが可能です。 無料のプランから始められる上に、公民館運営に最適な機能やスマートロックとの連携も可能で、予算不足や人員不足に対しても心強いシステムです。

公民館の予約に最適なRESERVAの詳細は、こちらをご覧ください。

まとめ

地域の人が交流を深める起点となる公民館。今回は公民館運営に予約システムを導入することによるスマート化について事例とともに紹介しました。今後も公民館運営に適したサービスやシステムが登場し、公民館がさらに新しいかたちで地域の拠り所として利用されるでしょう。RESERVA.lgでは、自治体のDX化に関する国内事例をこれからも取り上げていきます。

予約システムで、ビジネスを効率化

RESERVA.lgは、自治体向けのクラウド予約システム。官公庁、自治体における導入実績は500以上。公共施設予約、自治体のイベント、窓口予約など様々なシーンで導入されています。