瀬戸内の温暖な気候に恵まれ、みかんやお茶など県内の農業産出額では四国トップを誇る三豊市ですが、近年では少子高齢化の進展により、労働力の不足や後継者不足が深刻な問題となっています。そこで、農業や交通にAIやIoTなどの先端技術を活用することでスマートシティ化を推し進めています。本記事では、第1次産業が盛んな地域における、地域復興への取り組みを紹介します。
香川県三豊市の基本情報
人口 | 5万9876人(2022年9月1日時点) |
面積 | 222.7k㎡ |
公式サイト | 三豊市 |
観光サイト | 三豊市観光交流局 |
市役所住所 | 香川県三豊市高瀬町下勝間2373番地1 |
観光地 | 父母ヶ浜、紫雲出山、粟島、津嶋神社 など |
特産品・グルメ | 張子虎、鳥坂まんじゅう、三豊餃子、旅茶 など |
三豊市は香川県の西部に位置しており、市内東部は豊かな山脈に囲まれ、象頭山や大麻山、讃岐山脈に面しています。西部には瀬戸内海が広がり、粟島・志々島・蔦島などの島々も臨めます。水源と土地に恵まれた三豊市では、農業と観光業のどちらも盛んに行われています。
MAiZM(マイズム)みとよAI社会推進機構
三豊市は、少子高齢化による労働力不足・後継者不足の深刻化にともなう労働力の確保と生産の効率化という課題解決に向け、AI研究の第一人者である松尾豊教授のサテライト研究「MAiZM」を設置し、AIやディープラーニング技術の活用による労働力と商品の創出、人材育成に取り組んでいます。
事業内容としては、
1.AI人材育成に係る講座等の企画開催
2.地域課題解決のためのニーズシーズマッチング
3.企業課題解決のためのニーズシーズマッチング
4.資金の獲得及び管理
5.AIに係る情報発信
6.参画企業等との情報交換の実施
7.その他この法人の目的を達成するために必要な事業
などが挙げられ、AI講座やプログラミング教室、スマート農業の出前講座などを開催されています。
参考サイト:「MAiZM」
参考記事:三豊市「9月16日(水曜日)「気象観測器を使った“スマート農業”について学ぶ(笠田高校)」」
粟島スマートアイランドプロジェクト
瀬戸内海に浮かぶ離島 粟島には公共交通手段がなく、車を所有していない島民は徒歩や航路で移動をしなくてはならない不便な環境となっていました。瀬戸内国際芸術祭の開催などによる観光客の来訪の増加を契機に、グリーンスローモビリティを導入しました。粟島港や診療所、各集落に停留所を設置することで、観光客や移動手段を持たない高齢者などの利便性向上に大きく貢献しています。
グリーンスローモビリティとは
グリーンスローモビリティとは、時速20km未満で公道を走れる電動車を活用した小さな移動サービスのことです。グリーンスローモビリティは電気で走行するため環境に優しく、地方の交通サービスを改善するサービスとして注目を集めています。
参考サイト:国土交通省「グリーンスローモビリティ」
また、オンライン医療や無人移動のドローンによる食品や医薬品の輸送の実現に向けた実証実験も実施されています。
参考記事:三豊市「粟島でグリーン・スロー・モビリティを使った島内運行を実施しています。」
参考記事:三豊市「令和2年度三豊市粟島スマートアイランド推進プロジェクトを実施しました」
スマート農業
三豊市では農業に関する施策を計画的に進めるため、「三豊市農業振興計画後期計画」を策定し、担い手育成やスマート農業の効率化、機械導入の支援、ICTを活用した地域ブランドのPR等に取り組んでいます。
本市と「薬用作物・地域農産物による人材育成・地域活性化のための連携協定」を締結した香川県立笠田高等学校では、気温や湿度、土壌水分量などのデータを計測する圃場データ計測器を活用したスマート農業の実証が行われています。
参考資料:「三豊市農業振興計画後期計画」
参考資料:『広報みとよ』2020年4月号
参考記事:三豊市「9月16日(水曜日)「気象観測器を使った“スマート農業”について学ぶ(笠田高校)」」
みとよのみ
三豊市は温暖な気候、日照時間の長さからぶどうやみかん、桃をはじめとする果物や野菜、お茶など数々の農作物が栽培されています。みとよのみプロジェクトでは、市内の第1次産業の生産者によって農作物の魅力発信、それらを活かした地域産品の開発が進められています。
このプロジェクトを経て、三豊市で採れた果物を活かしたストレートジュースやドライフルーツ、荘内半島で栽培されたオリーブの漬物やフレッシュなオリーブオイルなどが開発されています。市内外での試食販売やPRを通じ、三豊市の魅力を幅広く発信することで、地域創生に尽力している姿を確認できました。
参考サイト:「みとよのみ」
参考資料:『広報みとよ』2020年6月号
参考資料:『広報みとよ』2021年11月号
参考資料:『みとよのみtable』
RESERVAで自治体DXを推進
香川県三豊市でも積極的に進められているDX化の第一歩としておすすめなのが予約システムの導入です。予約システムを導入すると、電話対応やExcelでの予約管理が解消され、業務の効率化と省人化が実現します。無料で利用可能なシステムもあり行政サービスに取り入れやすく市民も効果を感じやすいため、役場のデジタル化のファーストステップに最適です。
当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/)は、20万社以上の事業者や官公庁に導入されている国内最大級のSaaS型予約システムです。人口20万人を超える大規模な自治体から人口5万人以下の小規模な市町村での導入実績もあるため、自治体の規模を問わず、利用可能です。
【地元の特徴を活かした事業への導入事例】
・RESERVA活用事例|ビワマストローリングガイド京丸【クルージング・遊漁船】
・RESERVA活用事例|Matangi Yoga and Life【スクール・レッスン】
・RESERVA活用事例|黒木キャンプ場【宿泊施設・キャンプ場】
【自治体で活用されている予約サイト紹介】
・ワーケーションの予約システム
・コワーキングスペースの予約システム
・宿泊施設の予約
・観光ガイド・ツアーの予約
・公共施設の予約システム
・行政サービスのための予約システム
まとめ
今回は香川県三豊市の地方創生事例を紹介しました。三豊市は、市の魅力と課題を適切に理解し、特徴を活かした取り組みを行うことで効果的に地方創生を進めていることが確認できました。
各自治体ではDX化に向けた動きはさらに活発化し、さまざまな業務のデジタル化が検討されるでしょう。時間の有効活用・市民の利便性向上のために、予約システムの導入など分かりやすいところからDX化に着手するのがおすすめです。