現在、働き方改革や新型コロナウイルスの影響により、「時間・場所」を問わない柔軟な働き方が推進されています。中でも、仕事と休暇が1つになった、「ワーケーション」がニューノーマルな働き方として注目を集めています。地方でリフレッシュしながら仕事を行うことで、社員のモチベーション向上や、新たなアイデアが生まれるなどの効果が図れます。ワーケーションによる地方移住希望者の増加により、現在自治体は民間企業や行政と一体となって、アフターコロナを見据えた様々な地方創生に取り組んでいます。
本記事では、北海道北見市で行われている自治体や民間企業による、地方創生の取り組みや補助金制度について紹介します。
北見市の基本情報
北海道北見市
人口 | 11万1740人 |
面積 | 1427.41km² |
公式ホームページ | https://www.city.kitami.lg.jp/ |
市役所住所 | 〒090-8501 北見市大通西3丁目1番地1 |
主な観光地 | おんねゆ温泉、山の水族館、北きつね牧場、北見ハッカ記念館など |
本社を置く企業 | 北見信用金庫、株式会社清月など |
高等教育機関 | 北見工業大学、 日本赤十字北海道看護大学 |
北見市主導のワーケーション施設
北見市がワーケーションに取り組んだきっかけは、国立北見工業大学の卒業生が北見市外に就職してしまい、市内に人材が残りにくいという問題があったからです。
この問題を解決するため、北見市は「ふるさとテレワーク」を推進しています。ふるさとテレワークとは、新入社員に東京などの都市部で一定期間働いてもらい、経験・スキルが身についた後に、北見市に帰ってテレワークなどで働いてもらうという働き方のことを指します。北見市は、市の中心部に位置する商店街の空き店舗や大学の隣接施設、そして一般家屋を借りてオフィスを設置し、ワーケーションの拠点として活用しています。
北見市では、利用者のニーズが人それぞれであることから、ワーケーション用のプログラム・観光を多くは用意せず、利用者自身に過ごし方を任せています。その代わりに地域の大学や企業と連携し、地域課題を解決するような共同研究などを積極的に実施することで、ワーケーションのサポートを行っています。
おんねゆ温泉による観光プロジェクト
おんねゆ温泉観光協会は、山の水族館や北きつね牧場などの観光地と協力し、「白い畑と美白の湯“おんねゆ温泉で楽しむ冬旅”プロジェクト」を実施しています。様々なモデルコースがあり、顧客のニーズにあうコースを提案しています。東京発のおすすめコースも用意し、都市部からの観光客やインバウンド客を多く見込めます。公共交通機関とも連携して北海道の名所やグルメを周るため、観光施設だけでなく、地域全体の経済効果が期待できます。
IT企業による地元活性化
IT企業2社が北見市の家屋を借り上げ、職住一体型のワーケーションを行っています。両社とも北見工業大学との共同研究や新卒者の採用・インターンシップの連携などを実施し、地元の人材流出問題の解決に協力しています。また、北見市役所の窓口業務にロボット技術を活用することで、省人化の実証実験を行うなど、IT企業の最先端技術を通して、地域の課題解決にも挑戦しています。
大手IT企業である、「ジモティー」も北見市に支社を設立しました。北見市、北見工業大学と連携しながら、地域の情報の流動性を上げる取り組みやサービスを自動化する研究を行うなど、地域のIT化を推進しています。
北見市における補助金制度
北見市が独自に行っている創業や雇用の補助金について紹介します。
創業促進補助金
(1)事務所等賃借料補助事業
店舗や事業所等の月額賃借料(管理費、共益費、駐車場使用料など、店舗や事業所などそのものの賃借料と認められないものを除く)を対象とし、月額5万円を上限に月額賃借料の2分の1(1000円未満切り捨て)を最長12ヶ月間、最大50万円まで補助されます。
(2)改装工事費等補助
店舗や事務所等の改装工事または機械装置、工具、器具、備品などの購入に要する費用となります。ただし、2022年(令和4年)3月末日までにその支払いが完了するものを対象に、補助対象経費の2分の1(1000円未満切り捨て)、最大50万円まで補助されます。なお、改装工事は市内建設業者(北見市内に事業所又は営業所を有し、建設業等を営む者)に発注するものに限ります。
・創業促進補助金の対象業種
小売業 | 資本金:5000万円以下、従業員数50人以下 |
卸売業 | 資本金:1億円以下、従業員数100人以下 |
サービス業 | 資本金:5000万円以下、従業員数100人以下 |
製造業・その他 | 資本金:3億円以下、従業員数300人以下 |
なお、農業、林業、漁業、金融・保険業、風俗営業等の規制および業務の適正化に関する法律に基づく営業の許可または営業の届出を要する業種は対象外です。
詳しい申請方法や書類、補助金の情報などについては、以下の公式サイトをご覧ください。
北見市創業促進補助金 | 北見市
雇用補助金
今まで、北見市外の企業が市内に進出する際に雇用補助金を申請するには、常用雇用者が「15人以上」必要でした。北見市では、「ウィズコロナ時代」の新しい企業進出の形として雇用補助金の申請条件を見直し、北見市に移住してテレワークを行う社員が1人でもいれば、雇用補助金の申請ができるようになりました。
補助金は、北見市に移住した社員1人につき企業に1年で20万円補助され、最大5年間で100万円が補助されます。人数の上限は設けられておらず、何人分でも補助が受けられます。雇用補助金の他にも、IT企業進出支援補助金や航空運賃補助金など、様々な補助金があります。
詳しい情報や問い合わせについては、以下の資料をご覧ください。
移住 テレワーク – 北見市
地方創生におけるRESERVA予約システムの活用
北見市でも行われている、地方創生のワーケーションや観光プロジェクトの受付業務や会計業務を効率化、省人化できるのが「予約システム」です。当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/)は、26万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があり、最も選ばれている予約システムです。業務の効率化を進めて、よりよい地方創生の仕組みを作りましょう。
地方創生事業への導入事例(各項目概要ページにアクセスできます)
自治体で活用されている予約サイト紹介
まとめ
今回は、北海道北見市における地方創生の取り組みについて紹介しました。アフターコロナを見据えて、自治体だけで活動するのではなく、民間企業と協力することでその自治体の特色や産業を発展させていくことが地方創生につながります。北海道北見市を参考にして、新時代に合った働き方や取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
参考:
受入推進地域事例:北海道北見市|ワーケーション&ブレジャー
初の地方支社を北海道北見市に開設|株式会社ジモティーのプレスリリース