最近では、政府が掲げている働き方改革の影響や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、首都圏集中型の働き方が見直されてきています。リモートワークや、働きながら余暇を楽しむことができるワーケーションの利用者数も増加してきており、地方自治体では、さまざまな魅力的な地方創生政策を打ち出し、移住者や、観光客の増加を目指しています。
今回は、新たな魅力を生み出すリノベーションやアイディアを採用し、DX化やワーケーションを促進して地域活性化に積極的に取り組んでいる静岡県沼津市を紹介していきます。
静岡県沼津市の基本情報
人口 | 192,644人人 |
面積 | 186,96㎢ |
公式ホームページ | https://www.city.numazu.shizuoka.jp/ |
市役所住所 | 〒410-8601 静岡県沼津市御幸町16-1 |
主な観光地 | 沼津港深海水族館、 沼津港大型展望水門びゅうお、 伊豆・三津シーパラダイス |
本社を置く企業 | 赤武エンジニアリング株式会社、芝浦セムテック株式会社 |
高等教育機関 | 東都大学 |
沼津市は、首都100km以内の静岡県東部に位置します。昔からこの地域では、東駿河湾地域や、伊豆方面への交通の拠点となり、政治、経済、文化の中心的な役割を担っていました。また、恵まれた自然環境にあり、豊富な魚やお茶、みかんなどの農作物と先端技術の工業地域など多様な産業を発展させてきた歴史があります。
施設をリノベーションし、泊まれる公園へ
設計やデザインを軸に社会課題の解決や、新しいカルチャーの創出を目指している株式会社オープンエーによって、大きくリノベーションが行なわれ、誕生したのが「INN THE PARK」というグランピング施設です。
SNSを中心に広まり、泊まれる公園として県外から多くの若者の集客に成功しています。
INN THE PARK までは、首都圏から車で2時間、新幹線を利用する場合でも、首都圏から約2時間30分で沼津駅からレンタカーで20分とアクセスも良い場所にあります。
もともとこの場所には、「沼津市立少年自然の家」という林間学校などに利用されていた施設があったのですが、なかなか県外からの集客に繋がらないという点が挙げられていました。
そのような悩みから施設のリノベーションを実施すると、夜の森に浮かび上がる幻想的なテントの写真のインパクトが大きく、またたく間に拡散され、多くの若者や家族の集客につながりました。
テレワーク環境の充実度全国で5位、東海4県で1位に
沼津市は、新たに賃借によりITオフィス等を開設する際に、建物賃借料・通信回線使用料・ITオフィス開設経費の一部又は全部を助成する補助金を促進しています。
この結果、テレワーク環境が充実している自治体として、全国5位になっています。テレワーク環境の充実度は、沼津市内のシェアオフィスの数や公共無線LANの整備状況などの評価によって決定されました。
現在の働き方改革や新型コロナウイルスでのテレワークやワーケーションの促進、オフィスを共有するシェアオフィスの需要増加を適して、沼津市を訪れる方や移住者の増加につなげています。
これから創業する、まだ創業したばかりの方や、個人事業主として働かれている方の新たな形のオフィスとして利用されています。また、ビジネスマンの出張中の拠点やリモートワークのオフィス、さらにサテライトオフィスとしても便利で使い勝手がよくなっています。
(参照:沼津市のテレワーク環境、全国5位、東海4県で1位に輝きました!)
X-Tech NUMAZUを設立
ICT等のIT技術の先端を活用し、沼津市が抱える地域課題の解決や市民の利便性及び生活の質の向上を図るスマートシティの実現のために株式会社IHI、富士通Japan株式会社、株式会社明電舎の3社やIT専門的知識と経験を有する経験者によって、X-Tech NUMAZUが令和3年6月に設立しました。今後の目標としては、行政運営の効率化、教育及び子育て環境の充実化、次世代モビリティーサービスの推進、市民の健康及び福祉の向上、環境負担の軽減、再生可能エネルギーの活用、災害予防及び災害対策などをICTやAIなどの最先端技術を活用して課題解決を目指しています
沼津市観光プロモーション東京デスク開設
沼津市は、総合エンターテインメント企業である株式会社ポニーキャニオンと共に、首都圏での認知度の獲得、それに伴う観光客、移住者の増加につながる情報発信を強化するため、沼津市観光プロモーション東京デスクを開設しています。
2021年6月には、フジテレビアナウンサーである軽部真一さんを「燦々ぬまづ大使」に任命し、沼津市観光プロモーション東京デスクとして、沼津の魅力や旬の情報を多くの人々に広める活動をしています。行政と民間企業が両輪となって観光プロモーションを行なうのは珍しい取り組みであり、今後も沼津市の地域活性化のために大きな期待をされています。
集マレ!商店街プロデューサー!高校生による商店街の活性化へ
沼津市商店街連盟は、年々空き家へと変わっていく商店街の活性化を目指すべく、感性豊かな地域の高校生と共に、アイディアを出し合っています。高校生たちは、夏休みを利用して動画、看板、チラシなどの案を考えて、2021年11月にマスコミを通じて発表します。高校生などの若い世代が沼津市の商店街の方々とコミュニケーションをとる機会を作り、アイディアを出し合うことは、地元の魅力を新たに認識することや、沼津市に住む1人として地域活性化への協力を求める狙いもあります。
沼津市における助成金・補助金・支援金制度
移住・就業支援金制度
平成31年4月1日以降に首都圏から沼津市へ移住し、静岡県のマッチングサイトを通じて就職した場合等に、支援金を交付される制度です。移住元の要件としては、移住する直前10年間のうち、通算5年以上、東京23区内に住んでいた、もしくは、首都圏に在住し、東京23区内へ通勤していた方、移住の直前に、1年以上、東京23区内に住んでいた方が対象とされています。交付金額は、単身での移住の場合は60万円、2人以上の世帯の場合は、100万円です。
子育てに関する助成金・補助金
保育所等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもたちの利用料が無償化されます。また、0歳から2歳までの保育料は、子どもが3人以上いる全ての世帯の第2子を半額にし、第3子以降を無償化にしています。子育ての情報交換の場の提供のため、子育てサポートキャラバンぴよぴよというワゴン車におもちゃなどを積んで地区センターを巡回しており、育児に関する不安を専門の保育士に相談できます。また、友達作りなどの保護者同士の交流も行われています。0歳から高校3年生相当年齢まで通院・入院ともに無料です。
子育てサポートキャラバンぴよぴよ
幼児教育・保育の無償化スタート !
企業立地促進事業費補助金
沼津市では、産業振興と雇用の確保のために、市内に立地する企業に対し、取得費の一部を補助しています。
製造業・植物工場や物流施設
補助金を受け取る要件は、用地1000㎡以上で、従業員数が10人以上、用地取得後3年以内に業務を開始していることなどが挙げられます。対象経費は、土地取得費の20%以内で、新規雇用の従業員1人あたり100万円が加算されます。
研究所、ソフトウェア業
補助金を受け取る要件は、施設の床面積が200㎡以上で、研究員数が5人以上、用地取得後3年以内に業務を開始していることなどが挙げられます。対象経費は、取得費の20%以内で、新規雇用の従業員1人に対して100万円が加算されます。
RESERVA予約システムで地域創生へ
静岡県沼津市では、快適なテレワークの働き方に力を入れ、公園のリノベーションなどのワーケーションを推進しています。このように地方自治体では、コワーキングスペースの増設など積極的に取り組んでいる地域も多くあります。その中で、よりスムーズに貸しスペース運営などに移行できるサービスが「予約システム」です。当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/)は、18万を超える事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があり、最も選ばれている予約システムです。ホテル運営や貸しスペースなどの会計業務の省人化や、予約業務の自動化を行なうことにより、地方の活性化へとつながります。
地方創生事業への導入事例(各項目概要ページにアクセスできます)
自治体で活用されている予約サイト紹介
まとめ
今回は、静岡県沼津市の地方創生事例を紹介しました。新型コロナウイルスの感染拡大などにより、働き方の多様性に注目が集まっています。多くの地方自治体では、活気あふれる街づくりを目標に、移住者や観光客の獲得に動いている状況です。その中で、施設などの予約システムの自動化を行なうことが、人材不足や、顧客獲得への機会損失を減らし、さらなるホテル運営、観光業、ワーケション事業への効率化、地域の活性化につながっていくことでしょう。