香川県高松市|スマートシティでうどんに頼らない新たな地方創生事業を紹介!

香川県高松市|スマートシティでうどんに頼らない新たな地方創生事業を紹介!

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近年、IoTやビッグデータの台頭によって、都市の抱えるさまざまな課題をデジタルを活用することで最適化し、持続可能な都市作りを行う「スマートシティ構想」を進める自治体が増えています。なかでも地方都市においては、人口減少や地域高齢化といった問題を抱える自治体は多く、これらの問題解決の手段としてスマートシティに注目が集まっています。また、政府はこのスマートシティを「Society5.0」の先行的な実現の姿として位置づけています。

本記事では、観光や防災、医療などの分野とDXを掛け合わせたスマートシティ構想で地方創生を行う香川県高松市を紹介します。

Society5.0とは?

 Society5.0とは、1.0(狩猟社会)、2.0(農耕社会)、3.0(工業社会)、4.0(情報社会)に続く新たな社会として、情報社会にAIやIoTが加わったより生活しやすい社会のことです。内閣府はこれを「仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義しています。

香川県高松市の基本情報

香川県は四国の東北部に位置し、さらに高松市はその中央に位置しています。北側に瀬戸内海が面しており、きれいな海の景色や港から出るフェリーに乗って小豆島や直島などの離島を楽しむことができます。食はさぬきうどんが全国的に有名で、市内にはコンビニの数より多くのうどん屋が存在し、太くコシの強いうどんを一杯200円ほどから味わうことができます。また、他にも小豆島のオリーブや、そのオリーブを食べて育ったオリーブ牛やオリーブハマチも名産です。気候は、年間平均気温が16.3度と温暖で、年間日照時間も2,054時間と東京と比較して150時間も長く、晴れの多い地域です。

東京からは羽田空港から高松空港まで1時間20分ほどのフライトで行くことができます。美しい自然、美味しい食、晴れ間の多い気候を満喫できる都市として、県全体で毎年約500万人が観光に訪れ、その県庁所在地の高松市にも多くの人が足を運んでいます。

スマートシティ推進に向けソフトバンクやアクセンチュアと連携

高松市はスマートシティ推進のため、公募による連携事業者選定を行いました。その結果、大手電気通信事業者のソフトバンク株式会社や総合コンサルティングファームのアクセンチュア株式会社などと連携することが決まりました。高松市は他にも26社を主要事業者として連携し、観光や教育、医療やエネルギー、モビリティなどあらゆる分野とデジタルを掛け合わせてスマートシティを推進しています。ここではその取り組みの一部として3つほど事例を紹介します。

観光客向けレンタサイクル

高松市が日本から唯一、今後注目の観光ランキングで17位にランクインするなど需要が高まっていることから、高松市は喫緊の課題として観光分野からスマートシティ化に取り組みました。
(参考:2020 トラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザ・ベスト 観光地|トリップアドバイザー

具体的には、市内のレンタサイクルにGPSロガーを取り付け、同意を得た観光客に利用してもらい利用経路や行動範囲、滞在時間などのデータを収集しています。そして蓄積されたデータを性別や国籍、年齢など利用者の属性ごとに分析をし、新たな施策を打ち出しています。例えば、外国人観光客が多く訪れると分かった場所には多言語対応の観光ガイドや自動翻訳機を設置しました。また、レンタサイクルを利用する観光客の訪問先を把握し新たな観光資源を採掘するなどして、観光客の満足度向上や新たな観光施策の展開を行っています。
(参考:アイリス翻訳サービス

防災用水位・潮位センサー

2004年に高潮の被害を受けたことや、近年異常気象によるゲリラ豪雨の被害が増えていることから、高松市は観光分野と同様に防災分野も重要課題と位置付けてスマートシティを推進しています。

具体的には、河川、水路や護岸に水位センサーや潮位センサーを設置し、その通信制御盤から送信されるデータを市役所でモニタリングしています。また、避難所にはスマートメーターを設置し、電力の利用状況から避難所の開設状況の情報もリアルタイムで収集しています。

そして、これらのデータをいち早く、わかりやすく市民に伝えるため、地図上に情報を可視化し、市のホームページの高松市ダッシュボードの防災情報で発信しています。これによって、これまで市の職員が目視で推移状況を確認し、手動で情報を更新していた手間を大幅に削減することができ、より効率的に、早期に市民に知らせることができるようになりました。

高松市の防災情報のマップはこちらから確認することができます。
高松市ダッシュボード防災情報

健康増進アプリ「ケンプリ」

医療分野でもスマートシティ化の動きが進んでいます。高松市はさぬきうどんで有名ですが、うどんによる糖質や塩分の過剰摂取、野菜不足などが原因で糖尿病罹患率が非常に高く、香川県全体でみると全国で糖尿病による死亡者数が第3位となっています。
(参考:2018年人口動態統計月報年計|厚生労働省

こうした背景から、高松市は地域活性事業を手掛けるフェリカポケットマーケティング株式会社サイテックアイ株式会社の2社と合同で、スマートフォン用健康アプリ「ケンプリ」を開発しました。このアプリは歩数、距離、消費カロリーの自動計測や血圧、食事、睡眠など体調に関する情報を記録できる機能があり、1000歩歩くと2ポイント、体重を記録すると3ポイントというように利用するたびにポイントがたまっていく仕組みになっています。

そして、今後たまったポイントは市内の地域通貨であるめぐりんポイントとして発行でき、市内の商店街などで利用できるよう開発を進めています。高松市はこのアプリを通じて市民の健康増進や医療費削減に取り組んでいます。詳しくはこちらをご覧ください。

フェリカポケットマーケティング公式サイト 高松市健康増進アプリ「ケンプリ」

また、高松市はYouTube上にスマートシティ推進のプロモーションビデオをあげています。

動画引用元:YouTube 「スマートシティたかまつ」~データ利活用で未来のまちづくり~

離島のDX化へ向け、男木島スマート交流プロジェクトを発足

高松市は瀬戸内海に面していることから多くの離島があり、それらの島々では特に過疎化、少子高齢化が進んでいます。移住者を増やしつつ高齢者、移住者ともに住みやすい街作りを進めるため、高松市に属する男木島で男木島スマート交流プロジェクトを発足しました。

男木島では、「地域の担い手不足により、高齢者見守り等の負担増大」、「塾など学習環境の制限、進学に合わせて島を離れる子育て世代の増加」の2つを重要課題として位置づけました。

具体的には、長距離無線通信を利用して、高齢者にセンサーを携帯させ見守りを行うほか、センサーの位置情報を地図に反映させることで島から離れた家族にも状況を伝える環境を構築します。また、子どもの学習塾や習い事を島内でオンラインで受けられるサービスを充実させる方針です。

高松市における補助金制度

移住に関する補助金制度

高松市移住促進家賃等補助事業

高松市は、移住・定住を促進することによる地域の活性化を目的として、県外から高松市へ移住し、民間賃貸住宅に居住する世帯に、家賃や民間賃貸住宅の契約時に必要となる礼金等の一部を補助しています。2人以上の世帯で最大1年間で30万円の補助を受けることができます。募集要項や応募条件など詳しい情報は高松市の公式ホームページをご覧ください。

高松市移住促進家賃等補助事業

高松市東京圏UJIターン移住支援補助金

さらに、高松市は東京圏への通勤者や在住者で、高松市に移住し、香川県が移住支援金事業の対象とする求人に就職又は香川県が実施する起業支援事業の交付決定を受けた方を対象とする補助金も支給しています。給付額は2人以上で最大100万円、単身で最大60万円となっています。補助の対象地域は、東京、神奈川、埼玉、千葉の以下の市町村を除く地域に限ります。

・東京都:檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ケ島村、小笠原村
・埼玉県:秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、小鹿野町、東秩父村、神川町
・千葉県:館山市、勝浦市、鴨川市、富津市、いすみ市、南房総市、東庄町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町
・神奈川県:山北町、真鶴町、清川村

その他の応募条件など詳しい情報は以下の公式サイトをご覧ください。

高松市東京圏UJIターン移住支援補助金

企業誘致に関する助成制度

高松市では、産業の活性化や雇用の創出を図るため、企業誘致助成制度による補助金を支給しています。工場や物流拠点施設などの設備投資やサテライトオフィスの開設を行う企業が対象です。給付額は以下のようになっています。

投資に対する助成
・投下固定資産額の5%

雇用に対する助成
・新規常用雇用者数(10人まで)× 50万円
・新規常用雇用者数(11人目以降)× 30万円
・新規短時間労働者数 × 15万人

応募条件や申請方法など詳しい情報は以下の公式サイトをご覧ください。

高松市 企業誘致助成制度

RESERVAでスマートシティ・DXを推進

高松市でも行われている、地方創生のためのスマートシティにおいて、レンタサイクルやオンライン学習塾などの予約受付業務や会計業務を省人化、デジタル化できるのが「予約システム」です。当社が提供する予約受付システムRESERVA(https://reserva.be/は、18万を超える事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があり、最も選ばれている予約システムです。さらに、Zoomとの連携機能を搭載するなど、業務のデジタルトランスフォーメーションを図れるため、 スマートシティ化をさらに推進することができます。

予約システムRESERVAの概要はこちら

地方創生事業への導入事例(各項目概要ページにアクセスできます)

自治体で活用されている予約サイト紹介

まとめ

今回は、香川県高松市のスマートシティによる地方創生の取り組みを紹介しました。自治体と企業が連携し、観光や医療、防災などあらゆる分野にデータを導入し、スマートシティ化を進めることが移住者増加、地域活性化には欠かせません。また、その際に観光施設や宿泊施設のオンライン予約受付やオンライン会議などのデジタルトランスフォーメーションを推進することで、先進的な取り組みを行うことができ、地域の課題解決につながります。新型コロナウィルスの感染拡大で地方移住への関心が高まっている今、新たな働き方や施設、システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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