新型コロナウイルス(COVID-19)の感染被害に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
2021年5月17日現在、日本の新型コロナウイルスのワクチン接種状況は、首相官邸(新型コロナワクチンについて‐これまでのワクチン総接種回数)の発表で、医療従事者等:548万723回、高齢者:115万7,686回と公開されています。高齢者の接種率は3.2%(少なくとも1回目接種を終えた件数)です。
NHK世界のワクチン接種状況によると、ワクチンを少なくとも1回接種した人の総数は、イギリスが54.07%、アメリカが47.19%、ドイツが36.81%、日本は3.74%と、世界的にみても遅れが目立っているのが現状です。
ただし、過疎の自治体を中心に、年齢制限を設けずに接種を開始する動きもみられています。 福島県檜枝岐村では5月7日から、 16歳以上の村民を対象にワクチン接種を開始しました (参考元:福島民友新聞社) 。 和歌山県北山村では5月15日から、高校生への接種が始まりました(参考元:読売新聞)。このように小規模な自治体などでは、ワクチンの供給量が接種を希望する高齢者数を上回る場合、一般住民への接種も進められており、全住民の接種が終了する見通しが立っている自治体もでてきています。
総務省は5月12日、高齢者に対するワクチン接種は、7月末までに1,490、8月中に185、9月以降に66の自治体で終了する見込みであると発表しました。7月末までに終了予定の自治体は、青森県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、山口県、徳島県、愛媛県、長崎県、大分県で100%とされています。
当社では独自に、全国自治体(市区町村)のワクチン接種状況を調査し、地方ごとの進捗を公開しています。本記事では全国1,718の自治体調査結果から、日本のワクチン接種状況を多角的に分析しています。
なお、当社が独自調査を始めた2021年3月当時、厚生労働省が公開したコロナワクチンナビでは自治体ごとの接種会場情報が少ない状況でしたが、徐々に情報が追加更新されています。合わせてご確認ください。
コロナワクチンナビとは・・
新型コロナウイルスのワクチンの接種会場を探したり、どのように接種を受けるかなどの情報を提供する総合案内サイトです。地方自治体のホームページからリンクされ、全国のワクチン接種会場情報が集約されています。
全国自治体の調査結果
当社は全国1,718の自治体のワクチン接種状況について、以下の方法により調査を実施しました。
実施期間:2021年3月29日~5月1日
実施方法:各自治体のホームページより「コロナワクチン接種」に関する記述を検索
高齢者施設を除く65歳(一部75歳)以上の高齢者ワクチン接種スケジュール(2021年4月25日時点)
接種開始日を公式ホームページで 明示している自治体 | 55.54% |
「未定」または「後日発表」 「接種券配布予定日」のみ通知の自治体 | 34.82% |
コロナワクチン接種に関して 公式ホームページで言及がない自治体 | 9.64% |
2021年5月19日現在、接種券配布スケジュールの公開のみとしているところは依然として多くあります。また、高齢者が多く住む地域などではウェブサイト自体があまり必要とされていないからか、公式ホームページでワクチン接種に関する言及がない自治体、地方紙で接種開始が報じられるも公式ホームページでは情報開示されていない自治体も多く確認されました。
接種開始日を公式ホームページにて明示している795自治体のスケジュール
自治体数 | 全国比 | |
---|---|---|
2021年4月中のワクチン接種開始が 確認された自治体 | 109 | 6.57% |
2021年5月上旬のワクチン接種が 開始された自治体(1日~10日) | 194 | 11.69% |
2021年5月中旬のワクチン接種が 開始された自治体(11日~20日) | 268 | 16.14% |
2021年5月下旬のワクチン接種が 開始される自治体(21日~31日) | 162 | 9.76% |
2021年6月の指定日のワクチン接種予定が 公開されている自治体 | 62 | 3.73% |
その他(接種開始予定日に 間に合わなかった可能性があるケース) | 50件超 | ―― |
2021年5月中旬までに、公式ホームページで開始時期を明示している多くの自治体で、開始時期の詳細が決まっています。中には接種実績を公開しているとこもあります。ただし、すべての自治体においてスケジュール通りに接種が進んでいるかは定かではありません。
調査結果からみる考察
地域と人口の差
1都3県および感染者数が減少していない地域の自治体では、自治体の主導により、新型コロナワクチン接種のスケジュールが公開され、その具体的な日時や接種会場に関する情報が公開され始めています。一方で、北海道や沖縄の人口5万人以下の自治体では、ホームページでの情報公開がされていないところが多くありました。
高齢者数の割合
ワクチン接種のスケジュールは、各都道府県の人口の大小よりも、人口に対する高齢者の割合が大きく影響していることがわかりました。都内で最も高齢者人口の割合が多い八王子市が全国で最も早く接種スケジュールを公開したように、各自治体は感染規模と高齢者数に注視していると予想できます。
日本におけるワクチン接種の課題
接種開始後に目立ったトラブル事例
予約システムの不具合
予約システムの不具合により予約ができないトラブルが相次ぎ、自治体側がメールやSNSで状況を住民に呼びかける事態が相次いでいます。また、個人情報の取り扱いについて、第三者から個人情報が閲覧できる不具合が見つかったケースも報道されました。
参考:
ワクチン予約システム、各地で障害 復旧の見通し立たず (朝日新聞デジタル)
「kintoneの脆弱性ではない」東京都医療者向けワクチン予約サイトの個人情報問題でサイボウズが見解(ITmediaNEWS)
電話予約で受付体制がパンク
電話とインターネットの両方から予約を受け付ける体制を敷く自治体が多い中、高齢者はインターネット予約の不慣れから電話予約に比重がおかれる傾向があります。「何回も電話したのにつながらなかった」というクレームが自治体に向けられることもあり、1人あたりの電話対応に約12分(当社独自調べ)もかかると、受付業務を外部委託している場合でも受付体制に限界があるようです。
接種者の情報管理不足
人為的なミスは避けるよう、日々接種業務に取り組んでいることは周知のことですが、ワクチンの原液を希釈するための「生理食塩水」だけの誤接種したケース、また、 通常は20日程度の間隔をおいて2回目を接種するところ、1日で2回接種してしまうミスなどが発生しています。
参考:愛知の80代女性に1日2回誤接種(読売新聞オンライン)
大規模接種の開始による二重予約の発生
政府主導によるワクチンの大規模接種の開始が発表され、5月17日から予約受付が始まりましたが、すぐに予約枠が埋まったことが報じられました。 防衛省は自治体側による接種と二重に予約しないよう呼びかけるも、これがどこまで周知されたのかは不透明です。国と市区町村のシステムはつながっておらず、二重予約を自治体側が防ぐことは難しく、当日のキャンセルが相次げばワクチンの廃棄につながりかねません。そのほか、正しい接種券番号を入力したのに予約が出いない、架空の番号を入力しても予約ができてしまうといったトラブルも多く発生しています。
参考:大規模接種予約 東京は45分で4割、大阪26分で枠埋まる。(日本経済新聞)
正しい番号でもワクチン予約できず 板橋、目黒で数十件…防衛省の大規模接種システムに新たな欠陥か(東京新聞)
大規模接種とは・・
自治体間での接種進捗の格差を解決するため、政府が設置する大規模会場での新型コロナウイルスのワクチン接種のこと。主に防衛省が、65歳以上の高齢者に対し5月24日から東京と大阪に大規模接種会場を用意し、東京会場は東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県、大阪会場は大阪、兵庫、京都の2府1県の在住者が対象です。
複雑な管理体制を生む「2回接種」
ファイザー社製をはじめとする各社ワクチンの2回接種の条件は、管理体制を複雑化させています。2回接種を条件とするワクチンの有効性は、2回の接種により発症を95%抑えるという高い効果が報告されており、ここには厳重な管理体制が求められます。
参照元:厚生労働省「第44回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会」資料:ファイザー社の新型コロナワクチンの接種間隔について
ワクチン接種予約受付用に開発された「RESERVA予約システム」とは
17万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムRESERVA(https://reserva.be/)は、新型コロナワクチン接種の予約受付に特化した「新型コロナワクチン接種予約システム by RESERVA」を提供しています。当システムは人口5万人以下の小規模な都市・町村のほか、人口20万人を超える規模の自治体でも導入されています。(2021年5月現在、全国62の自治体で導入済み)
詳細はこちら: RESERVA新型コロナワクチン接種予約システム 特設サイト
<RESERVAの導入を決定したポイント・メリット>
1.導入決定後、最短5営業日で稼働
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現在、「新型コロナワクチン接種予約システム」のデモ相談会を実施中です。
デモ実演・相談会のお申し込みは、以下特設サイトの問い合わせからご連絡ください。
https://vaccine.reserva.be/
当社は今後も、政府や厚生労働省および関係省庁の発表に応じて、新型コロナウイルスワクチン接種予約の対応に必要な機能を速やかに開発し、独自の調査ノウハウを活かしながら皆様のお役に立てるツール、情報を提供します。
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