大垣市は、日本列島の中央、濃尾平野の西北部に位置している岐阜県第2の都市です。そんな大垣市では、現在の課題である人口減少・少子高齢化の解決に向け、デジタル化を推し進めています。
ICTやIoT(Internet of Things)などのデジタル技術を活用することで、業務や組織までも大胆に変革する「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」を、情報政策における戦略として掲げています。本記事では、大垣市が実施しているスマートシティ推進策について詳しく解説していきます。
市の概要
大垣市は、岐阜県の西部に位置しており、JR東海道本線や名神高速道路が通っています。古くから水都とも呼ばれ、市内には多くの湧水や水路があり、良質でおいしい水が供給されることで有名です。
一方で同市は関ケ原の戦いで石田三成が拠点とした大垣城を有するなど、歴史を感じられる街並みも特徴です。
人口 | 15万7,306人(2024年6月30日時点) |
面積 | 206.57k㎡(2024年6月30日時点) |
市役所住所 | 岐阜県大垣市丸の内2丁目29番地 |
市役所ホームページ | 大垣市公式ホームページ |
市がかかえる課題
岐阜県庁の「統計からみた大垣市の現状」によると、大垣市の人口は、2010年には16万1,160人でしたが、2020年には15万8,286人に減少しました。加えて、2010年には3万6,669人だった65歳以上の高齢者数は、2020年には4万3,738人に増加しました。
このように大垣市の人口が減少する中で、高齢者人口が増えており、将来的な出生率の低下や労働人口の減少が懸念されています。そこで本市はデジタル技術を活用しながらこれらの課題解決に取り組んでいます。
大垣市スマートシティ推進計画
本市ではAIやIoTなどのデジタル技術を活用することで、市民生活の利便性向上や行政サービスの効率化を目的としたまちづくりの推進に向けた「大垣市スマートシティ推進計画」を策定しました。本計画は、「市民一人ひとりが幸せを実感できるスマートシティ大垣の実現」を理念として、大垣が選ばれる街を目指しています。
スマートシティ実現に向けた取り組み例
大垣市オープンデータ
大垣市では、岐阜県内の市町村と合同で共通フォーマット化したオープンデータを公開しており、市民サービスの向上や地域経済の活性化が狙いです。オープンデータとは、行政が所持する地理空間情報や統計情報など公共データについて、二次利用を許可する公式データを指します。
オープンデータの種類は、司法・安全・環境、社会保障・衛星、健康・福祉など多岐にわたり、利用者は多角的なデータの利活用をすることができます。
参考サイト:大垣市 公式サイト「岐阜県オープンデータカタログサイト」
参考サイト:大垣市 公式サイト「大垣市オープンデータ」
AIを活用した対話型FAQサービス
対話型FAQサービスは、AIが行政サービスの手続きや制度などに関する質問に回答できるサービスを指します。利用者は、LINEやホームページ上のチャット画面で質問を記載することで、会話形式でAIが自動応答する仕様です。
2024年7月現在では、戸籍・住民登録、市税、子育て支援を含む18分野に関する質問が対象となります。利用者はスマートフォン上から質問を行えるため、利便性向上につなげています。
参考サイト:大垣市 公式サイト「AIを活用した対話型FAQサービスをご利用ください」
大垣市子育て支援アプリ
大垣市では、子育てに対する不安を軽減し、安心して子育てができる社会を構築するために、「大垣市子育て支援アプリ」を公開しています。同アプリには、子育て支援ポータルサイトやメール配信サービスなど、子育てに役立つ情報や機能が充実しています。
同市の社会課題である少子高齢化の対策として、多角的な子育てのサポートを図っています。
参考サイト:大垣市子育て支援ポータルサイト「大垣市子育て支援アプリ」をリリース!
参考サイト:大垣市子育て支援ポータルサイト「キッズピアおおがき子育て支援センター」
電子申請電子申請サービス
本市では、住民の利便性向上とオンライン申請の拡大に向けて、各種証明書の手数料をオンライン上で支払える電子決済機能を実装しました。各住民は、戸籍謄本や住民票の写しをはじめ、24時間365日オンラインで行政手続きの対応が可能です。
当サービスにより、市役所に訪れなくても手続きを完結できるため、住民の負担軽減にもつなげています。
参考サイト:大垣市 公式サイト「住民票・戸籍に関する証明書発行の電子申請について」
スマートシティにより近づく、予約管理システム「RESERVA」
スマートシティの実現には市民の意識を高めることも重要です。各企業、店舗、個人でも始められるスマートシティへの実現に向けて、近年注目を集めるのが「SaaSシステム」の導入です。例えば、オンライン予約システム「RESERVA(レゼルバ)」は、どのような業界・業種でも導入しやすく、オンライン予約サイトを手軽に構築できます。
紙の台帳で予約管理をしていたり、予約管理と顧客管理を別々のシステムなどで管理している場合、新規の予約が入った際には手動で記録をする必要があります。また、既存の予約情報を探すにも時間と手間がかかってしまうため、効率的であるとは言えません。
RESERVAなら、予約受付・利用者管理はもちろん、決済や集客も1つのシステムで完結するため、予約関連業務の一元化が実現します。市民も施設の予約やイベント参加のたびに個人情報を書類に記入したり、予約確定までに職員と何度もやりとりする必要がなくなるため、予約管理者・予約者の両社の負担を軽減することが可能です。
近年では、自治体や官公庁、大学などの導入実績も増えており、官民連携を果たした実例も多いのが特徴です。導入実績の詳細は、予約システムRESERVA(レゼルバ)ホームページをご覧ください。
まとめ
今回は、民間企業や自治体の連携によってスマートシティの実現を目指す事例について、岐阜県大垣市の「大垣市スマートシティ推進計画」を取り上げました。市の課題を基盤として、さまざまな施策を講じることで市民の利便性向上を図り、スマートシティ化を実現していることが確認できました。
今後も、RESERVADigitalではスマートシティ施策に関する国内事例を取り上げていきます。他の地方自治体のレポートについては、こちらよりご覧ください。
自治体で活用されている予約サイト紹介
・確定申告の予約システム
・公共施設の予約システム
・行政サービスの予約システム