海外の自治体におけるDX成功事例7選|自治体でDXが求められている理由も徹底解説

海外の自治体におけるDX成功事例7選|自治体でDXが求められている理由も徹底解説

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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用することで、従来のサービスをさらに利用者に合った使い方に変えていくことを指します。例えば「第18回早稲田大学世界デジタル政府2023」で3年連続1位を獲得しているデンマークでは、民間企業だけではなく政府が法律を作ることで、DX化を支える基盤を作り上げています。

しかし「他の国はどのような取り組みをしているの?」「DX化と言われてもイメージできない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では「海外の自治体DX事例7選」をご紹介していきます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用して人々の生活やビジネスを向上させることを指します。

自治体などの公的機関では、DXを活用してサービスの質を向上させ、市民の満足度を高めることが目的として利用されています。例えば、自治体が独自の通貨を作ることや政府がマイナンバーカードを活用できる場を増やすことで、情報発信や手続きの効率化を図ることができます。

自治体でDXが求められている理由とは

自治体でデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められる理由として「少子高齢化」「災害などの対策」などが挙げられます。少子高齢化が進んでいくことで、自治体の担い手不足が深刻化していくことから、公共サービスや社会インフラの維持が困難となってしまいます。例えば、令和3年4月時点での公務員の総職員数は、過去最高年(平成6年)と比較して約48万人減少しているため、DX化が今まで以上に注目されています。

また、災害や感染症のような予測不能な出来事が起こった際に、自治体では生産性の向上と、変化する社会状況に柔軟に対応できる業務スタイルへの移行が求められるようになっています。

このような状況が今後も深刻化されると予想されるため、自治体でDX化が求められているのです。

参考サイト:総務省「地方公務員数の状況

早稲田大学世界デジタル政府2023ランキングの結果

早稲田大学世界デジタル政府2023ランキングでは、デンマークが3年連続で首位を獲得し、カナダ(2位)、イギリス(3位)、ニュージーランド(4位)、シンガポール(5位)、韓国(6位)という結果が出ています。日本は、前回よりも1つ順位が下がってしまい、18年ぶりの11位というトップ10の圏外になってしまいました。

また、トップ10のなかでも7位のアメリカと8位のオランダの間は約3.0ポイントの総合スコアの開きがあることから、2023年は上位国の中でも総合スコアがかなり開く衝撃的な結果となりました。

参考サイト:科学新聞「世界デジタル政府ランキング デンマークが3年連続1位日本はトップ10圏外に

海外の自治体におけるDX成功事例7選

海外の自治体におけるDX成功事例をご紹介していきます。

海外の自治体DX事例①デンマークの取り組み

デンマークは、1968年に個人番号制度「CPR(Central Person Register)」を導入し、個人情報を行政や医療などのデータベースに統合しました。また、15歳以上の市民は「NemID(ネムイー)」という個人認証・電子署名システムを使用しており、行政サービスのポータルサイト「Borger.dk(ボアガー・ディーケー)」や医療ポータル「Sundhed.dk(スンヘド・ディーケー)」で、誰でも簡単に利用できる点が注目を浴びています。

デンマーク政府は、民間企業KMD社を通じて自治体のデジタル化を推進しており、国民のデジタルサービス利用を中心に考えているのが、DX化が早く進められている理由です。

さらに、重要な取り組みとして、デジタル対応の法律や基礎データ(Basic-Data)の整備、ポートフォリオ運営委員会(PSC)の設置が挙げられます。これにより、デジタル化が法制度に組み込まれ、国民がデジタルサービスを簡単に利用できるようになっています。

デジタル化を支援するために「デジタル委任状」システムや高齢者向け「ITカフェ」なども設けられており、住民は主にオンラインで行政サービスを受けることが可能です。

参考サイト:ContactEARTH for Expert「【行政DX】海外の先進的な事例4選を紹介

海外の自治体DX事例②韓国の取り組み

韓国は、1990年代後半からDX化に力を入れおり、2010年から2014年にかけて世界電子政府ランキングで3回連続1位を獲得したIT先進国です。

特に、市民ポータル「政府24(GOV24)」が注目を浴びており、転入・転出、住民票、印鑑証明、土地台帳、自動車登録などの行政手続きをオンラインで完結することができます。このシステムは国民の利便性を高めると同時に、行政コストを大幅に削減するメリットもあります。

韓国政府は「政府24」のサービスを開始して以来、年間約1,420億円の経済的・社会的コストの削減を実現しています。このように韓国はDX化を通じて、国民サービスの向上と効率的な行政運営を実現しているのが特徴です。

参考サイト:ContactEARTH for Expert「【行政DX】海外の先進的な事例4選を紹介

海外の自治体DX事例③エストニアの取り組み

エストニアは、IT先進国としての取り組みを行政と絡めて取り組んでおり「e-estonia」というコンセプトで政府のデジタル化を推進しています。

エストニア独自に開発された「X-ROAD」では、分散データベース間での安全な情報共有を可能にしています。このシステムは政府や自治体、医療機関、裁判所、警察など幅広い分野に使用されており、この技術により年間800年以上の労働時間が節約されています。

参考記事:RESERVA.lg「マイナンバーで行政をDX化する取り組み|地方自治体・海外での事例を紹介
参考サイト:ContactEARTH for Expert「【行政DX】海外の先進的な事例4選を紹介

海外の自治体DX事例④シンガポールの取り組み

シンガポールは、国土が小さく資源に乏しいことから、1980年代からITを絡めた経済成長に力を入れ、長期的な電子国家計画を策定してきました。

2014年には「Smart Nation構想」を発表し、6つの重要なプロジェクトを戦略的に推進しています。

「Smart Nation構想」では、以下の戦略が考えられています。

  • デジタル認証システムの導入
  • キャッシュレス社会への移行
  • センサーネットワークの構築
  • 公共交通のスマート化
  • ライフステージに応じた行政サービスの提供
  • デジタルプラットフォームの構築

これらの取り組みにより、スマートシティランキングでは2019年と2020年に連続して1位獲得を果たしていることから、DX化の重要性が世界に知れ渡りました。

参考サイト:ContactEARTH for Expert「【行政DX】海外の先進的な事例4選を紹介

海外の自治体DX事例⑤ドイツの取り組み

ドイツの「デジタルビレッジ構想」は、地方生活者向けのデジタル化を目指し、地域密着型のビジネスやコミュニティに焦点を当てているのが特徴です。

「デジタルビレッジ構想」では、地域の商売を支援するマーケットプレイスと、商品配達アプリ「LieferBar(リーファーバー)」が開発されました。この配達アプリでは、地元住民がボランティアの配達スタッフとして参加することができ、配達することでプラットフォーム専用の仮想通貨が報酬として与えられます。

また、2018年からは「ポケットビレッジ」というアプリを通じて、地域ニュースやイベント情報、相乗りなどのコミュニティ情報が提供されるようになりました。これにより、地域住民間のコミュニケーション強化や行政との連携が促進され、地域の経済発展にもつながっています。

参考サイト:ContactEARTH for Expert「ドイツの地方創生DX成功事例|デジタルビレッジの取り組み

海外の自治体DX事例⑥中国の取り組み

中国は、DXの分野で急速に進展しており、先進国としての地位を確立しています。国内では都市部を中心にQRコードを活用したキャッシュレス決済が最も早く浸透したのも中国です。

行政サービスでは、アリババやテンセントなどの民間企業が運営するプラットフォーム上でアプリを通じて提供され、行政関連の支払いもこれらのプラットフォーム上で行われるようになりました。医療や教育など多岐にわたる分野でもデジタル技術が導入され、国民の生活の質(QOL)の向上が注目を浴びています。

中国政府のDX推進の特徴は、産業界、学界、政府、市民が一体となった取り組みが進められていることです。これにより、政府の強いリーダーシップのもとでDXが実現されているため、今後も大きな発展を遂げると予想されています。

参考サイト:中小企業セクター「公的セクターにおけるDX成功事例とは?海外と日本の事例をご紹介

海外の自治体DX事例⑦インドの取り組み

インド政府は、公共デジタルインフラ「India Stack(インディア・スタック)」を通じて、国民がオンラインでサービスを受けられる環境を構築しています。

元々インドでは、身分証明書を持たない国民が半数近くに上っていましたが、2009年にから始まったプロジェクトでスマホの普及を促進しつつ、指紋認証や網膜スキャン技術を活用した生体認証ができる「Aadhaar(アドハー)」というデジタルIDを提供することに成功しました。

「Aadhaar(アドハー)」を活用することで、決済や各種取引のデジタル化のほか、オンライン上での本人確認が場所や時間関係なく行うことができます。

インド政府のDX推進は、国民の生活を大きく変えると同時に、貧困層へのサービス提供も可能となったDX化の成功事例です。

参考サイト:中小企業セクター「公的セクターにおけるDX成功事例とは?海外と日本の事例をご紹介

自治体DXにはRESERVA

画像引用元:RESERVA公式サイト

自治体がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとっても一元的で使いやすい環境が提供されます。

現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAを推奨します。RESERVAは、26万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。

まとめ

今回は「海外の自治体DX事例7選」をご紹介しました。

日本もデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用を目指しデジタル庁を発足させるなど、さまざまな動きを模索しています。

ただ、公的機関(公的セクター)に向けての具体的な案や国を主体とする大きな指標が浸透していないことから、まだ海外の自治体DXに遅れをとっているのが現状です。今回の記事を参考に「どんなDXがあったら、便利なのか」を考えながら、DX化について考えていきましょう。

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