DX(デジタルトランスフォーメーション)は、自治体でも新たな変革をもたらしています。この記事では、ゲームが自治体のDX化で重要視される理由を、用いるメリットや背景とともに紐解いていきます。そして、最新技術が実際にどのように活用されているのか、全国の自治体による成功事例をもとに解説します。
政府が推進する自治体DX
自治体DXとは
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略称です。デジタルトランスフォーメーションは、組織やビジネスがデジタル技術を活用して、業務プロセスやサービスの改善、イノベーション、顧客体験の向上を図る取り組みを指します。DXは、デジタル技術の急速な進化や普及に伴い、組織が市場競争力を維持し、成長を実現するために不可欠な要素となっています。
自治体DXとは、地方自治体がデジタル技術を活用して行政サービスの効率化や住民サービスの向上を図る取り組みを指します。DX化で、住民参加の促進や地域の持続可能な発展を支援し、地域社会全体の生活の質を向上させることを目指します。
自治体DXが推進される背景
自治体がDXを推進する背景には、地方自治体が直面する様々な課題が含まれます。近年、人口減少や高齢化により、労働力の減少や社会保障負担の増加などが懸念されています。このような状況下でもデジタル技術を活用することで、人手不足を補う効率的なサービス提供が可能となります。さらに、地域の持続可能な発展を目指す観点から、デジタル技術による地域経済の活性化や産業振興が重要視されています。また、地域の魅力向上や観光振興、地域間競争力の向上も、多くの自治体が目標として掲げています。これらの課題に対応し、地域社会の発展を促進するために、自治体はDXを推進しています。
自治体DXにゲームを活用する利点
近年、多くの自治体がゲーム、eスポーツ事業を展開しています。自治体がゲームを取り入れることには様々なメリットが発生します。今回はその一部を紹介します。
住民参加の促進
ゲームを通じて、住民が行政サービスや地域の課題に参加しやすくなります。ゲーミフィケーションの要素を取り入れることで、住民の関心や参加意欲を高めることができ、従来よりも高い効果を得ることができます。
ゲーミフィケーションとは、ゲームの要素や仕組みをゲーム以外の分野に取り入れる手法です。この手法はユーザーのモチベーションを高め、行動を促すために用いられます。具体的には、ポイントや報酬を与えることで目標達成の喜びを感じさせ、チャレンジやクエストを設定し、小さなタスクをこなすことへの高揚感を提供する方法があります。
楽しさと学びの融合
ゲームは楽しい体験を提供するだけでなく、学びや成長の機会も提供します。自治体がゲームを活用することで、住民が楽しみながら新しい知識やスキルを身につけることができます。
効果的なデータ収集
ゲームを通じて収集されるデータは、住民の行動や嗜好に関する貴重な情報源となります。このデータを分析することで、自治体は住民のニーズや傾向を把握し、より効果的な政策立案やサービス提供が可能となります。さらに、リアルタイムで得られるデータは、迅速な対応や政策の修正に役立ちます。
健康促進と認知機能の向上
ゲームを介して運動や脳トレーニングを行うことで、高齢者や障がい者の健康維持や認知機能の向上が期待されます。運動を伴うゲームや、脳トレーニングにつながるパズルゲームは、実際に高齢者向け支援施設で活用されています。
自治体が地域振興や健康促進にゲームを活用する背景
若年層へのアプローチの必要性
自治体は、深刻化する少子高齢化や、人口流出阻止のため、若年層に地域の良さをアプローチする必要性が強まりました。若年層の人口が減少すると、労働力の不足や社会保障負担の増加などの経済的な課題が生じます。さらに、若年層は地域の未来を担う存在であり、彼らの関心やニーズに応えることで地域の活性化や発展を促進することができます。若年層への支援や施策は、地域全体の活力と魅力を高め、持続可能な発展につながります。そのため、若年層が興味を持ちやすいゲームを様々な場面で用いて、地域に興味を持ってもらう必要があります。
ゲーム市場の拡大
2022年国内のゲーム市場規模は、「ファミ通ゲーム白書」によると、2兆316億円となり、2012年と比較すると約2倍の成長率を見せています。これは2020年以降のコロナ渦が大きく関係しており、巣ごもり状態でオンライン需要が高まったことが最大の要因です。これに合わせ全国各自治体でも、大幅に拡大するゲーム産業に目を付け、eスポーツ大会の誘致やゲームを用いた町おこしイベントが多数行われています。
全国の自治体における実際の事例
ゲーミフィケーションによる3D都市モデルを用いた参加型まちづくり
茨城県鉾田市では、2022年10月から2023年1月まで、ゲームを活用した参加型都市プロジェクトが実施されました。同市では、従来のまちづくり分野における自治体内部の計画検討や、市民を対象としたワークショップ、地域学習などにおいて、専門的な図面や計画図では議論が深まりにくいことが課題でした。
この実証実験では、都市開発の検討に3D都市モデルをシミュレーションゲームにインポートしたものが活用され、市職員の60%が「以前より効果を感じた」と回答しました。また、高校生向けにワークショップも開催され、参加した高校生の90%以上が「今後のまちづくりへ関心を持った」と回答し、まちづくりにゲームが効果的であることがわかりました。
参考サイト: 国土交通省デジタルツイン実現プロジェクト
小学生向けにオリジナルゲームを製作するワークショップを開催
千葉県松戸市では、ゲームを手掛ける株式会社Cygamesと共同で、プログラミング言語を学びながらオリジナルゲームを開発するワークショップが毎年開催されています。同市は、コンテンツ産業振興、推進のためにプログラミング事業に力を入れており、毎年抽選で200人が無料で体験することができます。
松戸市では、2023年に市内の小中学生を対象としたプログラミングコンテストも開催されており、まつどシティ賞やCygames賞を受賞した学生には、表彰状が授与されました。
参考サイト:松戸市公式サイト
高齢者の認知症予防に向けたeスポーツ教室の実施
大阪府東大阪市では、介護予防事業の一環として「高齢者eスポーツ広場」を設置しています。広場では、「太鼓を使ったリズムゲーム」や「カーレース」などで遊ぶことができ、有名なゲームを用いて認知症対策などの健康維持や地域交流の促進が行われています。
大型モニターで利用者全員で楽しめるゲームや、初心者でも参加しやすい講師によるスクール型のeスポーツ教室などがあり、これまでに多くの高齢者がゲームの楽しさと新たなコミュニケーションを体験しました。
参考サイト:東大阪市公式サイト
自治体主催のゲームイベント開催にはRESERVA
自治体がゲームイベントを開催するにあたって、 おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、28万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。 実際にゲームイベントやeスポーツ教室などで導入されており、そのほかにも多種多様な実績があります。
まとめ
この記事を通じて、自治体DXにゲームを活用するメリットについて詳しく触れてきました。自治体がイベントや課題解決にゲームを用いることで、若年層を取り込むだけでなく、高齢者の健康維持にも役立ちます。DXを推進するにあたって課題を抱えている自治体の職員は、ぜひ本記事を参考にしてください。
RESERVA.lgでは、今後も自治体DXに関する学び、挑戦を取り上げていきます。