【2026年版】自治体DX化取り組み実態調査レポート|茨城県ひたちなか市

近年、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)、ICT、IoTといった言葉を耳にする機会が増えました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、テレワークの推進や業務のリモート化などが急務となったことにより、DX化に向かう流れになったことが主な要因と考えられます。

加えて、SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)の達成に向けてもDX化は重要な取り組みです。DX化による業務の効率化や省人化は、SDGsの達成にはほとんど必須であると考えられており、同時に日本が直面する人口減少への対応策になっています。そのため、コロナ後の社会に向けて、DX化を活発に進めている自治体や企業が増えています。

一方で、DX化には課題も多く、取り組みがほとんど進まない自治体も少なくありません。そこで本記事では、DX化を積極的に実施する先進的な自治体を取り上げ、独自に設けた評価項目で採点し、その施策内容のポイントをかんたんにまとめて紹介します。

自治体DX化の取り組み評価

目的と方法

これからDX化に向けて取り組む自治体や企業に向けた情報発信を目的として、DX化に積極的に取り組む自治体における「DX化の現状」「DX化に向けた課題」を整理し、実際の事例や画期的な施策をピックアップして解説していきます。

「DX化の現状」について、当社では、取り組みの進行度やDXの充実ぶりを可視化するために、当社予約システムに関する全国の自治体からのご相談、お問い合わせ、受注実績やノウハウを基にして、自治体におけるDXの施策について31の評価項目を独自に作成しました。

自治体DX化の取り組み評価では、この評価項目を元に評価、採点を行っていきます。

評価項目

作成:RESERVA編集部

現時点での課題

  • DX人材の不足
    現状、日本においてDX化に携わる人材が不足しており、企業・自治体を問わずDX化を推し進める上での障壁となります。既にスキルを持っている人材を獲得、あるいは人材の育成に取り組むか、または人材を確保している企業と組んで外注するか、いずれにせよDX化に向けて確実に解決するべき問題です。
  • DX化、ICT活用の専門部署がない
    日本の組織の多くはIT戦略を含めたDX化、ICT活用を行う部署が用意されていません。日本の行政機関としてデジタル庁が新設された事は記憶に新しく、DX化を推し進める上の方針の策定や施策を推進する上で専門部署の設立は必要だと考えられます。
  • 地域ごとの財政規模、財源の違い
    財政規模や財源の違いによって、DX化に向けた投資に踏み切れない自治体は多くあります。DX化を進めることで財政の立て直しやサービス向上など付加価値が得られ、自治体としての価値を高められるのですが、実例がまだ少なく手を出しにくいのが実状のようです。
  • 住民本位の取り組みになっているか
    DX化は単なる業務の効率化のこと、あるいはICTと混同されやすいキーワードです。DX化の最大の目的はサービスの質や生産性の向上であり、市民に寄り添いながら、本当に市民が求めていることは何か、その上で取り組むべきことは何かを精査していく必要があります。
  • 多言語への対応が可能になっているか
    日本に在留している外国人は2023年(令和5年)6月時点で約322万人で、日本の人口の約2.6%に相当します。SDGsなどの観点から見ても、各自治体において多文化共生社会の実現は重要な目標であり、その一端を担う在留外国人への取り組みが必要であることは間違いありません。

DX・ICTの違い

ICTは「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」のことです。メールやSNS、チャットなど、情報をやり取りするためのサービスを指すほか、近年のAI、IoT化の進展により世界的にその技術領域は拡大しつつあります。
DXは「Digital Transformation」の略称であり、直訳すると「デジタル変革」です。DX化はICTやIoT(Internet of Things)をツールとして利用して日常生活やビジネスの質を高めることが目標となっています。
ICTの活用はDX化に含まれますが、DX化はICTの活用を含めた様々なアプローチで実現されるものというのがポイントです。

ひたちなか市の評価と解説

当社独自の調査項目に照らし合わせた結果、ひたちなか市の得点は31点中27点という非常に高い点数であり、全国でも高水準でDX化に取り組んでいる自治体だと評価しました。同市は、行政手続きのオンライン化や市民に向けたパソコン相談窓口の開設などを行い、DX化促進に加えて、デジタルデバイド(情報格差)の解消にも積極的に取り組んでいます。

そのようなひたちなか市の施策の中で特に注目されるポイントについて解説します。

調査結果

作成:RESERVA編集部

ひたちなか市デジタル化推進指針の策定

画像引用元:ひたちなか市 企画部 情報政策課「ひたちなか市デジタル化推進指針」

ひたちなか市は、2022年(令和4年)2月に「ひたちなか市デジタル化推進指針」を策定し、市民サービスの向上や行政運営の効率化、地域課題の解決に向けたデジタル活用の方向性を示しています。同指針は、今後急速な人口減少が見込まれる中でも、自治体が持続可能な形で行政サービスを提供し続けることを目標としており、国が策定した「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に基づき、次の4つの基本方針を掲げています。

「ひたちなか市デジタル化推進指針」の基本方針

  • 市民サービスのデジタル化
    行政手続きのオンライン化やユーザーの視点に立った情報発信を推進します。
  • 地域のデジタル化
    デジタル技術を活用して地域課題の解決や地域活性化を推進するとともに、デジタルデバイドの解消やデジタルリテラシーの向上に取り組みます。
  • 行政のデジタル化
    デジタル化の促進によって、行政の効率性・透明性の向上やコスト削減を図ります。
  • 情報セキュリティの強靭化
    情報セキュリティ対策を徹底し、情報資産の保護と、組織的・人的な情報セキュリティ意識のさらなる向上に尽力します。

具体的な取り組みとしては、テレワークの推進や自治会のICT環境整備への補助、情報セキュリティポリシーの適時見直しなどが挙げられ、幅広い分野でのDX化を推進しています。

参考資料:ひたちなか市 企画部 情報政策課「ひたちなか市デジタル化推進指針」

教育現場に学習用タブレットを導入

画像引用元:ひたちなか市「移住定住サイト」

ひたちなか市の小・中・義務教育学校では、「GIGA(ギガ)スクール構想」に基づき、2021年(令和3年)5月よりタブレット端末を1人につき1台を支給しています。GIGAスクール構想とは、文部科学省が提唱するプロジェクトであり、学校におけるICT環境の整備・活用を通じて、教育の質の向上を目指しています。

タブレット端末の導入により、夏休みや臨時休業時のオンライン学習が可能になり、個別学習用のデジタルドリルを活用することで、個別最適な学びを実現しています。また、ひとつのファイルを共同で編集するグループワークなどを通じて、協働的な学びの場も設けています。

参考資料:ひたちなか市「市報ひたちなか令和3年12月10日発行648号」

子育て支援アプリ「ひなっこ」の配信

画像引用元:母子手帳アプリ「母子モ」公式サイト

2018年(平成30年)6月より、ひたちなか市では、母子モ株式会社が提供する「母子モ」と連携した子育て支援アプリ「ひなっこ」を無料で提供しています。同アプリは、紙の母子健康手帳を補完する、電子版ならではの機能を備えており、妊娠期から子育て期まで、利用者を幅広くサポートします。

「ひなっこ」の主な機能

  • 子育てに関する情報の受信
    市が発信する妊娠・出産や子育てに関するお知らせ、イベント情報などを受け取ることができます。
  • オンラインでの予約
    健診・育児相談などの予約が24時間いつでもどこでも可能になります。
  • 子どもの成長記録
    育児日記「できたよ記念日」をはじめとする便利な機能により、日々成長する子どもの記録をグラフや写真で残すことができます。また、記録した内容は、共有機能を使うことで離れた地域に住む祖父母などの家族にも共有できます。

参考サイト:ひたちなか市妊娠・子育て応援サイト「スマイルスマイル」

評価項目

今回は、自治体の公式サイトのページや自治体の取材記事などを基に、DX化に関する自治体の取り組みの有無について独自に調査しました。ここでは、採点に利用した31項目を3つの観点について分類した上で、DXにおけるポイントやユーザーフレンドリーな自治体作りについて解説します。

方針・施策について(観点①)

DX化を進める上での方針や施策、DX化やICT活用に関する部署の有無、都道府県・民間企業との連携、プロモーションにおけるメディアの活用など、DX化に向けた組織作り、方向性などが示されているかを評価しました。

  • 民間との連携によるプロジェクト企画が行われている
  • 都道府県と連携し、市区町村独自でのデジタル化指針を公表している
  • SDGsに対するデジタル施策が公表されている
  • 自治体主導でDX人材の育成を宣言し行っている
  • DX推進課やICT活用など明確にDX化に関する部署がある
  • Webを通じたプロモーションがメディアに取り上げられている

業務の効率化について(観点②)

ICTを活用した業務の効率化の中でも、特に自治体側における取り組みについて評価しました。ペーパーレス化やRPAの利用や予約システムの導入など業務の単純化・省人化に関するものが主に含まれます。

  • 施設利用などに予約システムの導入を行っている
  • オンラインセミナーなどWebツールを利用する仕組みがある
  • Webツールを活用した業務・活動の実績がある
  • テレワークの導入、印鑑廃止などの取り組みがある
  • ペーパーレス化(証明書関連のデジタル化)が進められている
  • ワクチン接種情報について特設サイトを設けている
  • ワクチン接種の運用において、オンライン申請等デジタル活用が進んでいる
  • 定型業務や単純業務にRPAを利用している
  • 役所内にフリーアドレスを導入している

住民向け・ユーザーフレンドリーについて(観点③)

DX化として重要な観点となる住民向けの施策で、行政の手続きや情報発信においてユーザーフレンドリーになっているか、あるいはICT教育、デジタルデバイドの解消など住民がよりよく暮らせる取り組みがなされているかを評価しました。

  • 公式ホームページの更新頻度は3日に1度以上である
  • ホームページにアクセスする上でサイトの表示速度が十分にある
  • YouTubeチャンネルがある
  • X(旧Twitter)/Instagram/Facebookの公式アカウントがある
  • SNSの更新頻度は週1以上ある
  • 行政に関する住民の質問にチャットボットなどを導入して対応している
  • 役所窓口や管轄の公共施設でキャッシュレス決済を導入している
  • 納税をキャッシュレス化している
  • 緊急時などのメール通知機能がある
  • 自治体が提供するアプリケーションがある
  • LINEによる相談窓口、情報発信体制がある
  • 教育ICT(教育用タブレットの配布など)に力をいれている
  • 高齢者とのデジタルデバイド解消に取り組んでいる
  • 住民票の写しや税証明などがデジタル上のツールで申請可能である
  • 事業者向けの診断システム(例:補助金、助成金)を導入している
  • 多言語(3言語以上)に対応している

これらの評価項目は、他の自治体の調査を継続しながら、随時追加、更新していく予定です。

ひたちなか市|調査のまとめ

ひたちなか市では、市全体のデジタル化・DX化を推進することによって、住民満足度の高いまちづくりに取り組んでいることが確認できました。高い水準で自治体DXを実現しているひたちなか市において、今後期待されるDX化の施策は以下のとおりです。

  • 事業者向けの補助金・助成金判断システムの導入
    市全体のDX化に向け、さまざまな事業を展開しているひたちなか市ですが、事業者向けの補助金・助成金に関する判断システムの導入は確認できませんでした。判断システムを取り入れた場合、各事業者が最適な公的支援制度を受けることが可能になり、市の活性化につながります。

地方自治体におけるRESERVA予約システムの活用

ひたちなか市でも行われているDX化による利便性の向上や、ICT活用による業務の効率化、省人化。このような課題にかんたんに取り組めるのが「SaaS型予約システムの導入」です。当社が提供する予約受付システムRESERVAは、35万の事業者・官公庁に導⼊されている国内最⼤級のSaaS型予約システムであり、人口20万人を超える規模の自治体のほか、人口5万人以下の小規模な市町村でも導入実績があり、最も選ばれている予約システムです。業務の効率化を進めて、より先進的な地方自治体の仕組みを作りましょう。

画像引用元:RESERVA lg公式サイト

自治体で活用されている予約サイト紹介

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