少子高齢化や地方における人口減少など、自治体を取り巻く環境は時代の流れとともに大きく変化しています。そうした状況の中で近年の自治体は、地域課題の解決に寄与する情報の発信が求められています。業務を簡略化し、自治体の広報を地域課題の解決につなげる有効な取り組みとして、近年注目されているのがDXです。
本記事では、自治体における広報活動にDXを用いるメリットと、実際の先行事例を紹介します。
自治体における広報活動とは
自治体における広報活動は、行政施策の方針やビジョンを地域住民に伝える活動を指します。自治体の制度や取り組み、防災・災害情報などを発信することで、住民の満足度や安心感の向上につながります。また、現在の自治体の広報に求められている重要な役割は、人口減少を代表とする地域の課題解決です。イベント情報や歴史、観光名所などの地域の魅力を効果的に発信することで、観光客や移住者の増加につながり、長期的な地域の発展が見込めます。
政府が推進する自治体DX
自治体DXとは
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略称です。デジタルトランスフォーメーションは、組織や企業がデジタル技術を活用して、業務プロセスやサービスの改善、イノベーション、顧客体験の向上を図る取り組みを指します。DXは、デジタル技術の急速な進化や普及に伴い、組織が市場競争力を維持し、成長を実現するために不可欠な要素です。
自治体DXは、地方自治体がデジタル技術を活用して行政サービスの効率化や住民サービスの向上を図る取り組みです。DX化で、住民参加の促進や地域の持続可能な発展を支援し、地域社会全体の生活の質を向上させることを目指します。
自治体DXが推進される背景
自治体がDXを推進する背景には、地方自治体が直面するさまざまな課題が存在します。近年、人口減少や高齢化により、労働力の減少が懸念されています。このような状況下でもデジタル技術を活用することで、人手不足を補う効率的なサービス提供が可能です。
さらに、地域の持続可能な発展を目指す観点から、デジタル技術による地域経済の活性化や産業振興が重要視されています。地域の魅力向上や観光振興、地域間競争力の向上も、多くの自治体が目標として掲げています。これらの課題に対応し、地域社会の発展を促進するために、自治体はDXを推進しています。
自治体の広報活動でDXを推進するメリット
費用削減
広報活動をDX化することで、費用削減につなげられます。SNSやWebサイトなどを活用することで、ポスティングや折り込みなどによる広報誌の配布で掛かっていた、コストを低減させることが可能です。
効果的なデータ収集
デジタル上での広告活動を通じて収集されるデータは、住民の行動や嗜好に関する貴重な情報源となります。このデータを分析することで、自治体は住民のニーズや傾向を把握し、より効果的な政策立案やサービス提供につなげられます。その上、リアルタイムで得られるデータは、迅速な対応や政策の修正に役立ちます。
情報漏えい・紛失のリスク軽減
DX化によるペーパーレス化は、情報漏えいや書類などの紛失のリスクを軽減できます。物理的な紙を使用している場合、広報活動に関する資料を紛失する可能性があります。加えて、紙の文章であると閲覧権限をかけられないため誰かに見られる危険性があり、機密情報の持ち出しによる情報漏洩のリスクも無視できません。
広報活動に関する資料をクラウド管理に切り替えることで権限設定やアクセス制限を掛けることができ、セキュリティの強化につなげることが可能です。
自治体における広報DXの先行事例
奈良県生駒市
生駒市は、公式プロモーションサイト・SNS「グッドサイクルいこま」を市民PRチーム「いこまち宣伝部」と協働で運営しています。この取り組みの目的は、生駒市への理解と共感を外部に向けて効果的に広げることです。WEBメディアやSNS広告などオンラインのアプローチをうまく組み合わせることで、質の高いコンテンツ作成や拡散力のある発信を実現しています。
青森県むつ市
参考:むつ市 公式サイト
YouTubeチャンネル:むつ市長の62ちゃんねる
むつ市は、マスメディアで記者会見を実施しても一部だけが切り取られる、報道されないという課題を解決するために、YouTubeチャンネル「むつ市長の62ちゃんねる」を2020年1月より運営しています。
このチャンネルの登録者数は、開設して3年でむつ市の人口約5万4,000人の20%である11,000人を突破しました。動画の監督・企画は市長自らが実施し、動画編集は担当職員が行っています。
大阪府泉南市
参考:泉南市 公式サイト
泉南市は、街の観光PRを目的として市内各所にタッチサイネージを設置しています。観光客は、タッチパネル式の大画面から、観光地の情報や道案内、イベント情報など目的に合わせた情報を直感的に得ることが可能です。また、コンテンツの変更はWEBページを更新することで、自動的に表示が変わる仕様であるため、手動更新をする手間も削減されています。
自治体の広報DXにはRESERVA
自治体がイベントの広報活動を行うにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとってもわかりやすく使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAをおすすめします。RESERVAは、28万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。
まとめ
本記事では、自治体における広報活動にDXを用いるメリットと、実際の先行事例を紹介しました。イベント情報や歴史、観光名所など地域の魅力をDX化により効果的に発信することで、観光客や移住者の増加につながり、長期的な地域の発展が見込めます。自治体における広報活動のDX化を検討している人はぜひ、本記事を参考にしてください。
RESERVA.lgでは、今後も自治体のDX化に関する国内事例を取り上げていきます。