私たちの社会は、デジタルトランスフォーメーション(以下、DXとする)の推進があらゆる領域で求められています。特に自治体におけるDX推進は、市民へのサービスクオリティ向上と行政の効率化という点で急務となっています。迅速なDXの推進には、自治体外部のデジタル人材の活用が不可欠です。しかし、外部の人材を有効に活用するには、さまざまな課題を解決する必要があります。
この記事では、外部デジタル人材活用にまつわる課題を深く掘り下げます。そして、これらの課題への解決策として、総務省が策定した「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」を紹介します。
このスキル標準は、自治体がDX推進において外部人材を効果的に活用するための具体的な指針が記載されています。この資料を基に、外部人材の役割、スキル、必要な研修について詳しく解説し、自治体が直面するDXの課題に対する具体的な解決策を提案します。
自治体の外部人材活用に関する現状
現在、自治体の多くはDX推進に向けての取り組みを進めていますが、外部デジタル人材の活用に関してはさまざまな課題が存在しています。総務省が2021年に行った調査によると、外部デジタル人材を活用していない1,483の団体のうち、160団体が「活用する方向で検討中」である一方、それを上回る331団体は「活用する予定はない」と回答しており、外部DX人材を活用する予定がない自治体が未だに数多く存在することが判明しています。
また、外部デジタル人材を「活用する方向で検討中」または「未定」と回答した1,150団体においても、約70%にあたる801団体が「外部デジタル人材に求める役割やスキルを整理・明確にすることができない」という課題を抱いており、外部人材の有効活用に向けた具体的な計画や戦略をまだ策定していない状況にあります。そのため、自治体におけるDX推進は、外部人材の役割やスキルの明確化、さらにはそれらの人材に対する具体的な期待や目標設定の策定が必要です。
総務省「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」の策定
このような状況を踏まえ、総務省は2022年に「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」を策定しました。これは、自治体が外部DX人材の採用にあたり、具体的な基準と方向性を持って対応することができるよう設計された資料です。
このスキル標準では、自治体DXの推進に必要とされる人材像が4つのカテゴリーに分類され、それぞれに必要なスキル、資格、経験が詳細に解説されています。これにより、各自治体は自身のニーズに応じて、必要な人材像を選択し、適切な外部人材を確保することが容易になります。
それぞれの人物像について解説した記事は、以下から確認できます。
外部人材向けの研修について
自治体DX推進における外部人材の活用は多くのメリットをもたらしますが、同時に一定の課題も内在しています。例えば、外部人材が勤務する地方公共団体に関する知識を持っていない場合、現場での軋轢や事業に対する認識の齟齬が起こる可能性があります。
このような背景を踏まえ、総務省は外部人材向けの研修の重要性を認識しています。研修の主な目的は、自治体に勤務したことがない外部人材が、自治体の組織構造、業務内容、システム、さらには自治体DXに関する国の動向などに関する基礎的な知識を習得することです。これにより、外部人材は自治体の業務に関する広範な理解を深め、効果的なコミュニケーションや業務遂行が可能になります。
総務省が2022年に公表した「自治体DX外部人材スキル標準について」では、研修のカリキュラム例が紹介されています。この研修は総務省の主催を想定しているものですが、自治体が参考として活用できる内容となっているため、以下で紹介します。
自治体の組織と業務(1コマ)
・地方自治制度の概要
・自治体の組織構造
・自治体の主な業務
自治体システムとセキュリティ(1コマ)
・基幹業務系システムと情報系システムの概要
・情報セキュリティ強化のための対策
・情報セキュリティポリシーの策定
マイナンバー制度と個人情報保護(1コマ)
・マイナンバー制度の概要
・個人情報保護の現状と令和3年改正個人情報保護法の施行による影響
自治体DX(2〜3コマ)
・国や自治体のDXに関わる総論
・国や自治体のDXに関わる各論
自治体DXにはRESERVA
自治体がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとっても一元的で使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAを推奨します。RESERVAは、26万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。
まとめ
外部DX人材は、自治体がDXを推進するにあたって不可欠な存在です。この記事では、そのような外部人材にまつわる自治体の課題と、その解決策としての「自治体DX推進のための外部人材スキル標準」の活用について解説しました。外部人材の活用にあたって悩みを抱えている自治体の職員は、ぜひ本記事を参考にしてください。
RESERVA.lgでは、今後も自治体DXに関する学び、挑戦を取り上げていきます。