SaaS/PaaS/IaaSとは?
SaaS、PaaS、IaaSはすべて「クラウド」の種類の1つです。「クラウド」については下記の記事で解説しています。
SaaS(サース)
SaaSは、「Software as a Service」の略称で、インターネットを通じてアクセスすることができるアプリケーションを提供するサービスです。総務省では、以下のように定義づけられています。
アプリケーションプログラムが持つ機能を提供するサービスである。業種/業務別アプリケーションから、SNS(Social Networking Service)やメールのようなコミュニケーションツールなどが用意されている。
引用元:総務省「情報通信白書」内「クラウドサービス」
SaaSは、インターネットに接続することで、インストールをせずにソフトウェアを利用することができるサービスモデルです。それらのソフトウェアを使うために必要なサーバーやその他機器を自前で用意する必要がありません。SaaSでは、必要なシステムやサーバーは、ソフトウェアを提供するベンダーが保持しているものを使用します。つまり、インターネット上で必要な機能を必要な分だけ利用できるソフトウェアのサービス形態といえます。例を挙げると、予約システムRESERVA、GmailやZoomなどがあります。
SaaSはオンラインでデータを操作・保存できるため、データ損失のリスクを低減させつつ、自動更新によりセキュリティを最新に保つことが可能です。しかし、インターネット接続がないと利用不可になることや、提供されるアプリケーションに対するカスタマイズの自由度が限られるという欠点があります。
PaaS(パース)
PaaSは、「Platform as a Service」の略称で、アプリケーションの開発や実行が可能なプラットフォームをクラウド上で提供するサービスです。総務省では以下のように定義づけられています。
アプリケーションプログラムを開発・実行するためのツールや環境(=プラットフォーム)を提供するサービスである。プログラミング環境やデータベースなどの機能をネットワーク経由で利用できるようにする。近年のPaaSには、データ分析やAI(人工知能)などの最新技術が組み込まれるようになっており、新しいビジネスの開発や、少子高齢化に伴う人手不足を解消するための自動化の仕組みの開発などに利用されている。
引用元:総務省「情報通信白書」内「クラウドサービス」
大規模なデータセンターに、アプリケーションを稼動するためのネットワーク、サーバシステム、OSやミドルウェアなどのプラットフォームが用意され、その上で開発を行うことができます。そのため、ユーザーはすばやく開発・実働環境を整えられる利点があります。例を挙げると、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどがあります。
PaaSは、開発に必要な基盤を一式提供し、開発設定の手間を軽減します。SaaSと異なり、ユーザーは開発初期段階から関与し、アプリケーションを自由にカスタマイズできる一方で、利用可能なプログラミング言語やデータベースが限定されており、事前に設定された開発環境からの選択肢も制限されます。
IaaS(イアース・アイアース)
IaaSは、「Infrastructure as a Service」の略称です。仮想サーバーなどのデジタルインフラをインターネット経由で提供するサービスです。総務省では下記のように定義づけられています。
コンピューターやストレージ、ネットワークなどのハードウェアが提供する機能を提供するサービスである。これを可能にしているのが、物理的なコンピューター機器を疑似的に分割したり統合したりする「仮想化」の技術である。仮想化によって、利用者の要求に対し、利用するコンピューター資源を自動的に増減できるほか、サービスの提供者にとっても、運用の自動化や効率化を図ることができる。
引用元:総務省「情報通信白書」内「クラウドサービス」
IaaSでは、自社でサーバーなどのハードウェアをもたずに、インターネット経由で必要な時に必要なだけサーバーやストレージ、ネットワークリソースを利用することができます。例を挙げると、Google Compute Engine、Amazon Elastic Compute Cloudなどがあります。
IaaSは、SaaSやPaaSに比べ自由に開発することができます。しかし、その分専門的なスキルが必要となります。
その他の〇aaS
SaaS、PaaS、IaaSのほかにも〇aaSはいくつも存在します。
・BaaS(バース):Banking as a Service
APIを利用して、銀行が行っているサービスをクラウドサービスとして提供すること。
・CaaS(カース):Containers as a Service
アプリケーションの開発と利用に必要なハードウェアとソフトウェアの資源を、コンテナ技術を用いて提供、管理すること。
・DaaS(ダース):Desktop as a Service
仮想のPC環境をクラウド上でサービスとして提供すること。
・DBaaS(ディビーアース):Database as a Service
データベース管理システムをクラウド上で提供すること。
・FaaS(ファース):Function as a Service
イベント駆動のアーキテクチャをサポートし、コードの実行環境を提供すること。
・NaaS(ナース):Network as a Service
ネットワーキングのインフラストラクチャ(例えば、スイッチ、ルーターの機能など)を提供すること。
・STaaS(スタース):Storage as a Service
オンラインストレージ・バックアップサービスを提供すること。
参考:NTT Communications「IaaS/PaaS/SaaSとは」
参考:総務省「情報通信白書」
参考:日経XTECH「SaaS/PaaS/IaaS」
参考:NEC「SaaSとは?意味や読み方、代表例をわかりやすく解説」
参考:AWS「Software as a Service(SaaS)とは何ですか?」
参考:Google Cloud「PaaS、IaaS、SaaS、CaaSの違い」
自治体での事例
多くの自治体では自治体クラウドを導入し、これを用いた先進的な取り組みを行っています。ここでは、一部の事例を紹介します。
SaaS
・SaaS型予約システムRESERVAの導入
参考:予約DX研究所「官公庁・地方自治体」
・基幹系業務システム「GPRIME for SaaS」の共同利用:奈良県香芝市・葛城市・川西町・田原本町・上牧町・広陵町・河合町
参考:NEC「中期経営計画」
PaaS
・予算編成システムをServiceNowのPaaSで構築:大阪市
参考:日立「大阪市のDX推進を支援【予算編成システムを構築開始】」
IaaS
・OpenStackによるIaaS基盤構築:富士市
参考:NEC「Cloud Platform for IaaS 導入事例 富士市様」
自治体DXにはRESERVA
自治体がDXを推進するにあたって、おすすめなのが予約システムの導入です。予約システムの機能は、予約管理にとどまらず、決済から顧客管理、さらに集客に至るまで自動化する機能を持つシステムです。複数のツールやプラットフォームを切り替える手間は一切不要で、これにより、自治体の業務プロセスがより効率的に進められるだけでなく、利用者にとっても一元的で使いやすい環境が提供されます。
現在多数の予約システムがありますが、自治体が効率的にDXを促進するためには、実際に導入事例もあるRESERVAを推奨します。RESERVAは、26万社が導入、500以上の政府機関・地方自治体も導入したという実績がある国内No.1予約システムです。予約受付をはじめ、機能は100種類を超えており、自治体の業務プロセスがより効率的に進められます。初期費用は無料で、サポート窓口の充実やヘルプの利便性が高いため、予約システムの初導入となる地方自治体にもおすすめです。